第37話 揺れる果実と揺れ動く心か。
翌朝。今日から少しずつだが体育祭の練習を始める事になった。
俺は朝食の準備を終えたのち、ジョギングの準備運動をエントランスで行った。
「昨日の雨が嘘のようだな。清々しい朝だわ」
すると俺の背後から声がかかる。
「おはよう。
振り返ると
隣には
「おはよう・・・何だ、その格好?」
「スパッツとシャツだけど?」
いや、俺が言いたいのはそういう点ではなくてだな。
「気のせいか? 下着は?」
左右の胸の中心にポチが見えたのだ。
「え? あ、てへっ」
忘れた事を誤魔化すために笑顔になられても。
「まさかと思うが、寝起きで直ぐか?」
「寝起きだね。歯と顔は洗ってきたけど」
「そ、そうか。で」
俺は仕方ないと諦めつつ
こちらは上下とも学校のジャージだが、
「お隣も同類と」
どう考えても同類と思わざるを得ないな。
「ん〜。なんのことですかぁ」
「割と低血圧なのかね?」
「そうかもね。私より酷いかも」
「別の意味で酷いから妹を呼んで来い」
「いもうと?」
妹を呼べと言っても反応が悪い。
すると
「妹を呼ぶ?」
フラフラしている
「あー、うん」
「これは事故だからな?」
「こんな事で怒らないよ。それよりも
「かえるって、どうして、ですかぁ」
「今のままだと
そうだな、それがあるな。俺も血は見たくない。
「ころ、される?」
その言葉でも目覚めない
「先ずは自分の両胸を両手で抱えてみようか」
「か、かかえる? えっと」
「うん。次に思うがまま、揉んでみよう」
「もむ・・・んんっ。ん? あ・・・こ、これは、その!」
真っ赤に染まって揉んでいた両胸を隠して脱兎の如く戻っていった。
「感じてから目覚めるってどうなんだ?」
「
「
「やっぱり?」
それくらい刺激的な爆乳だった件。
俺的には
こちらもノーブラだけどな。
「というかノーブラであのサイズだと幾つだ?」
「え? 確か・・・会長より上だったはずだよ?」
「は?」
会長は自己申告でGだから?
「小柄でHって何ぞ?」
「というか会長のサイズを何で知ってるの?」
「ああ。自己申告された」
「これは後日、会長とお話する必要があるかもね」
「ほ、ほどほどにな」
しばらくするとスポーツブラで固定してきた
顔は赤いが目覚めたなら気にする必要はないな。
「私も最初はスポーツブラをしてるものと思っていたけど
「そういう事を大きな声で言わないで下さいよ!」
「でもさ? 忘れた所為で
「俺も
「あ。そ、そのごめんなさい」
「気にしてないよ。アイツも赤の他人に見られるよりはいいだろうし」
「そ、そうですか?」
「ただま、次回からは忘れないでほしいけど。
「善処します」
「ブラは着けてきてくれよ。他人に揺れる胸を凝視されたくないから」
「そ、そう? それなら次回から気をつけるよ」
「頼むからそうしてくれ」
「そういえば、立ってますね」
「私は元々こんな感じだよ?」
「少し揉んでみても?」
「ほどほどならいいよ」
仕方ないが女子が女子の胸を揉む光景を見せられると変な気分になるな。
「私とは違った感触ですね」
「
「そうなんですかね?」
「そうだと・・・ん。思うよ」
途端に
(これ以上はいけない気がする・・・)
呼吸が荒くなり頬が紅潮した。目元が変化して涙が溜まったように見えた。
そんな
「お、おい。準備運動を済ませたら走るぞ」
「あ、そうだね。怪我しないよう運動しないと」
「そうですね」
何がとは言わないが揉み方を熟知しているような。
女子だけが知る性感帯があるのかもな、きっと。
すると
「危なかったぁ。下も穿いてないのに」
流石にこれは聞き捨てならないな。
俺は走り始める
「おいこら。ちょい待てい」
「な、なんでもないよ」
「今、聞き捨てならん一言が聞こえたから途中でコンビニ寄るぞ」
「えーっ!」
おかしいと思ったんだ。スパッツに下着の線が見えなかったから。
「何処の世界にノーパンで現れる彼女が居るよ」
「ここに居ます」
「居たわ。ここに居たわ」
「え?
「ノーブラとノーパンで現れた痴女だ」
「痴女って酷いよ!?」
「ま、以前の
「あっ! あれは、仕方なかったからで」
「分かってるよ。それよりも時間がない。行くぞ!」
「痴女って言葉だけ訂正して!」
「じゃあ、彼女って事で」
「それならいいよ!」
「いいんかい」
「ふふっ」
擦った揉んだあったがようやく練習に出発出来た。
一応、途中のコンビニでパンツを買ってトイレで穿いてもらったがな。
「で、ノーパンになった経緯は?」
「お風呂に入ってそのまま着た感じ」
「時間に遅れそうだから慌てて?」
「うん。そんな感じ」
俺の彼女も何気にポンコツなんだよな。
副会長の事は悪く言えないぞ、これ?
すると
「ところで文化祭の件はどうなってます?」
あー、文化祭か。ある程度は書き出したんだよな。
「利益前提の物を幾つか。あとは部活動との兼ね合いか」
「私も会場設営が必要な物を幾つか考えてみたよ」
「
「「ただ?」」
「
予算の都合? あ、そうか!
「ここにきてゴミの使い込みが影響するか」
「あー! そうだよ。企画を練り直しだぁ」
しかしまぁ、走りながら絶叫するって器用だな。
「放課後にでも試算して出来そうな企画考えような」
「うん。
とりあえず、放課後にでも残高を把握するしかないか。
「体育祭にかかりきりだったから帳簿も見ていないしな」
「というか、
「昨年はそうですね。といっても私も
持ち帰り仕事で
そうしてジョギングの途中で公園に寄った俺達は、
「じゃ、結ぶぞ」
「いいよ。来て」
最短距離ではあるが二人三脚の練習を行った。
「「いち、に、いち、に」」
ノーブラの揺れる胸。柔らかい腰。
程よい肉付きの肩。隣から香る匂い。
それを感じつつ我慢して練習に励む、俺。
興奮しかけるも、なんとか耐え抜いた。
練習を数回行って、ひと息いれた。
「お二人の息、凄いピッタリですね」
「遠恋はあったけど、付き合いは長いしね」
「そうだな。生後数ヶ月からの付き合いだ」
「そんなに前からの付き合いなんですね?」
赤子云々の話は先日
なんで忘れているんだよって自分にツッコミを入れた程である。
「婚約もその頃に決まったんだよ」
「互いに好意を意識する前からな」
「そうなんですか!?」
「一緒に居るのが当然って頃もあったね」
「そうだな。転勤族が再開されるまでは」
「すっごい羨ましいですぅ」
羨ましい? 俺は疑問に思いつつ
「確か
「ふぇ?」
この感じ、両親が語っていないかぁ。
もしかすると妹の手前明かしていないだけかもな。
あの妹には交際を明かしていないし。
「これは俺とは逆パターンか」
「
「いや、俺から言うより
「
あとで連絡しておこう。そうしないとすれ違いになってしまうから。
「あ、もしかして?」
「
「これは言ったらダメだね。馬に蹴られてしまうし」
「馬に? 何の事ですか?」
「詳細は
「はぁ?」
ちなみに、
小柄なのに大食なのもスタミナ維持に使われているとさえ思えるよな。
簡単な練習と朝食後にエントランスで待機していると、
「私、とっても嬉しいです!」
満面の笑みの
つまり
「それは良かった」
「これで私達の仲間入りだね」
「はい!」
俺が隠して
それは俺や
実は
その母体が
良家の坊ちゃんなのは確かである。
なので俺と同じ立場で俺達と同じ関係になるわけだ。
「表立って言うと玉の輿とか言うバカが現れるから交際だけでいいだろ」
「そうだね。
「根底っていうか俺も最近知ったけどな」
「それでも騒ぐ子は居るからね」
「居ますね。E組の委員長とか」
「あの子かぁ」
「
「委員会で何度も喧嘩したかな?」
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