この世界はロマンが少なすぎる!

pcラマ

序章 分岐点

入学式前日、県内随一の底辺高校に通うのが憂鬱だった俺は、時計の秒針がコチコチと刻まれるのをぼーっと見つめていた。


「そういえば、ゲームの発売日だったか、今日は」


ふと思い出し、まるでアンデッドモンスターが主人に向かっていくかのようにフラフラと立ち上がり、よろついた足取りで玄関に向かった。


「こんな時間に外に出るの?おにいちゃん。」


後ろから妹の声がした。見るとパジャマを着ている。そういえば、今はもう午後10時を過ぎていた。


「…そうだな。」


別に、ゲームを買うのは明日でもいい。

どうせ、今外に出ても明日入学式だということは変わりないのだから。




その夜、突然辺りを照らした光から美少女が舞い降りたことを俺は知る由もなかった。

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