第97話 第二ラウンド…
漆黒円盤の外縁部、爆煙が徐々に霧散した先に、崩壊した円盤面が見えて来る、そこに、ナガトは横転した形で、その円盤面にめり込んでいた。
……
…ダメージコントロール、状況確認
私とメイの指令コードで、メンテロボ達がいち早く動く
はは、ぶっ壊れるかと思った。
左舷からおもいっきり叩きつけられた。船体に走った衝撃は計り知れない。
ほぼゼロ距離一斉射砲撃による爆圧と、かつ砲撃を受けた円盤の表面物質が猛烈な破片となって巻き上がりそれが衝突の衝撃を和らげた。思えば頭がおかしいやり方だったわ。
予想外だったのは、その構造物が意外と脆かった点。それもまた助けになった。カッチカチなら木っ端微塵だったかも。
艦内のあらゆるモノが吹っ飛んでいたわ。でもメンテロボ達はワイヤーで体を固定して、難を逃れていた。さすがワタシのやる事がわかっていらっしゃる、経験値が高い。……抗議は後で受け付けます。
現況報告が次々と上がって来る。でも報告を待たずとも自分の体、大体察しはつく。
第一、第三、第五主砲、全損
第二主砲、右砲使用不能、
格納中の第四主砲は損傷なし
左舷陽電子砲群、全損、使用不能
第一艦橋大破、艦橋レーダー群消失、船体に歪み、多数の亀裂あり
…ただし、航行には条件付きで支障なし。
航行に支障なしの裏は、主機も補機も動かせればという条件付き。
とは言え、じっとしてるわけにはいかない、船体を起こす作業を可及的速やかに実施する。
重機チームが爆薬を使って、埋没状態から掘り出し、右舷側へとワイヤーで引っ張る。
それにしても……
この円盤、目の前にしても本当に真っ黒、砲撃で破壊した部分は内部まで黒い。スペクトルが返ってこないので材質まではわからないけど、どうやら有機物的な物みたいだわ。
さて、コイツが一体なんなのか?…って、まあ、アレよねぇ
…ほーら出て来た。
球体周辺の円盤部が波打ち始めた、モコモコっと盛り上がり始め、穴が開き…
穴から湧く様に出てきたのは、例のサソリロボ、でも船内に侵入して襲ってきたのより遥かに大きい、一体一体の大きさはまちまちだけど、こちらの船体の1/3ぐらいの大きさがある、全長が
100mを超える者までいる。それにディティールもグレード感があるわね。
あんなのにのし掛かられたら、船が潰れるわ。
しかしコイツら、船内で戦った時に思ったけど、戦闘兵器とかロボという感じじゃないのよねぇ…
生物的と言うか…いやもう生物じゃね?
動生体センサーが使えないので、定かではないけど…
火星の小惑星帯メインベルトにいたのは、機械化戦闘宇宙船群、そして神出鬼没の突撃兵器トンガリ、木星には何者かが残した超高度文明異物と、地球の技術ではない超巨大な宇宙船、木星を取り囲む位相空間に存在する謎の銀色円盤達、と、全部が機械的だった。
そして今度は謎の宇宙生物?
意思疎通が出来ない上に、甲殻類形宇宙生物とか、ジョニーリコにでもなった気分だわ。
まったく次から次へと…太陽系にどれだけ得体の知れないモノが潜んでるのよ。
ディーコンが指示を出し、戦闘装備のメンテロボ達が甲板に出てきた、2機一対で怪しげな代物を抱えてるし…
仙術は、幸いにも仮設した内部バッテリーで機能する事がわかったわ、でも稼働時間は短い。等価エネルギーも酷く食うので、バッテリー温存のためにもここぞと言うときだけに使用する。
サソリ共が振動ブレードを震わせ、こちらを威嚇してきた。
はは、やる気満々ね。
さーそれでは、第二ラウンドいってみましょうか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます