奪還物語 -俺が全てを取り戻すまで-

誰かの腰巾着

第1話 【その日全てが始まった】

荒廃した世界...

そこに1人の男が立っていた、

年齢は50歳後半から60歳といったところだろうか...

周りには誰もいないそれどころか草や木の一つすら生えていない、

そんな世界で男は立っていた。

男は何かを悔いるような戒めるような

憎むような悲しむような目をしていた。

そして10分ほど立ち尽くしようやく動き出した。

男の目は何かを決意したようだった。

男が腕を前に伸ばし開いた手を握った瞬間

全てが始まった...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「チリリリリリリリリリリ」


俺は目覚ましの音で目を覚ました

眠い目をこすりながら上体を起こした。

自分の部屋からリビングに移動する

「おはようヒカル」


聞きなれた声で俺に挨拶をしてきた

「おはよう母さん」


俺の母さんは若い年齢はハッキリとは覚えていないが33歳か34歳くらいだったと思う。

俺はテーブルの椅子に座り

袋から食パンを取り出してその上にジャムを塗って食べた。


「最近学校はどう?楽しい?」


「まだ始まったばかりだから分からないよ」


「そう...」


俺の名前は黒木 光(クロキ ヒカル)

ピチピチの15歳だ今月から高校生になったのだ 俺の目標は友達を100人作ることだ!!

...せめて5人くらいは作りたいなー

出来れば彼女とかも...なんてね

俺はボッチな中学生活を送ってきたから

俺は高校生になって変わるんだ。


「何かあったら母さんに言いなさいね?」


「俺はもう高校生なんだからそんな心配しないでよ」


「でも...」


「あ!! そろそろ学校の時間だから」


「遅刻しちゃだめよ」


「行ってきます」


「行ってらっしゃい」


家を出て学校に徒歩で向かった

今日こそ俺の青春 いや人生の始まりだ。

いや人生までは言い過ぎたか

そんなことを考えていると俺は学校についた。

徒歩15分といったところだかなり近い距離だ


学校が始まってもう5日目なのだが俺は誰とも話せないでいる。そんな焦燥感を感じながら教室に入った。

今日こそはと隣の人に話かけた


「おはようございます 黒木 光です 今日はいい天気ですねー ははー」


「おはようございます 鈴木 静香と言います

今日は雨が降るらしいですよ」


まさか隣が女子だったなんて焦りすぎて見えてなかった...でもこれはチャンスだ。ここから仲良くなって


「そうなんですか...」


「はい! なので傘持ってきましたか?」


「あ 持ってきてないです」


「2本持っているので良ければ貸しましょうか?」


「いや大丈夫です。ありがとうございます」


「そうですか」


「...」


何やってんだ俺!

俺はなんでこんなに話せないんだ


「キンコーン カンコーン」


そう思っているとチャイムがなった。授業が始まるのだ。

そしてあっという間に下校時間になった。あの後誰とも会話をせずにだ

俺は明日こそ友達を作ろう。

明日こそは絶対に

そう決意した。


とぼとぼと歩いて帰宅していると俺は謎の光に飲み込まれた


「なんだこれ だれk」

俺の声はかき消された。

意識が薄れる...

光が消え静寂だけが残っていた...




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