異世界勇者召喚失敗か？

第27話 聖大教会帝国の激震

第27話　聖大教会帝国の激震

異世界39日目　朝

　全部拠点を［掌握］とか使って改築して防音性能をかなり高めて、地下室も徹夜で作った。

　女性は空間部屋に入れた。何か話しこんでいるな。

　港街タウリンの人口はオレ達以外は3人。

　今日は行商人が来る日だ。

　行商人の目当ては、冷凍イカリング（加工品）である。

　馬車30台で来た。全て一瞬で積み込んで300万で手をうった。

　そして、今朝発行のブリントン王国新聞を買う。

　テーブル街は、今はイカリング景気で湧いている。そして、ポーションビジネスでも湧いている。

　勇者の無銭飲食の代金の請求先がわかった？

　オレは、聖大教会帝国という国が本当にあるらしいとわかり、聖皇　ダホア・ド・ハエマオが、勇者の報酬制度を元に戻したという事も知った。

　それで地元勇者の奴らは、収入が増えるから意気込んでいたのか！（勘違い。）

　そんなオレを、3人の住民が訪れて来たので、イカリングを出して食事会にした。

　全員17歳の女性だ。

　用事は、彼女達はテーブル街に移住すると言う事だった。

　腹が減って、親兄弟達も徴兵されてろくな思い出が無いと言う。

　ろくな思い出が無いか〜。思い当たるフシが沢山ある。

　オレも、また封印の為に不幸生活をしろとか言われても嫌だ！

　そして彼女達に、餞別の金を少し持たせて見送った後、［掌握］でこの街では、オレに対する害ある行動を禁止した。

　この王国にも腹が立ってきた。

　なんて事を国民に強要するのか。

　彼女達の家はそのままにして、住民票とかも確認して見る。

　う〜ん。既に死亡とか書かれているのが多い。

　そして、元役所らしい施設からの重要性書類とかも保管しないといけない。

　［掌握］に魔力を注ぎこんで、街を再建して行く。

　ん？コレは？地下に海岸線？

　すぐに、古い資料を見ると昔ここに魔導学院があって、何者かとの戦いで崩壊したという。

　魔王サソリとイカだな。

　そして、地盤が隆起して？その後見張り砦の後にまた地盤隆起を繰り返して、そして沈下？

　なんだこの地盤と海岸は？

　ん？魔導学院？

　そういえば、この街を掌握した時に、何かレンガみたいな感触があったな！

　すぐに、［掌握］をやり直す。あった！

　そしてこの海岸を制圧するが如く［掌握］をして行く。

　地下30メートルに、建物が埋まっている感触がある。

　コレは？　ウハ？

　そうだ！ここを完全に［掌握］していくか！

　ナツ達に、散歩に行くと言って、散歩しながら［掌握］していくことにした。

　そして、テーブル伯爵までの街道も［掌握］して、街もついでに［掌握］してアブハとか夕刊の新聞をかって、商業ギルドに加入してイカを売った。　食料事情当分の間は大丈夫だろう。

異世界39日目　夜

　空間部屋にて、新聞を読むととんでもない事が書かれていた。

　聖大教会帝国に、内乱発生。各王国も旧勇者報酬制度に反対！

　各王国、勇者に対する報酬の支払いを拒否。

　そして、勇者の活動は地域の活動に貢献なのだから、地域の貴族が払えと命令。

　貴族は、地域の活動に貢献しているので住民が払えと命令。

　そして、ついに反乱の発生。

　ダメだ〜！この世界終わってる〜。

　その時、空間部屋からでてきた3人。

　残された勇者はリーナというらしい。勇者スキルを停止してほしいという。

　何でも地球でいうGPS追跡みたいなスキルもセットらしい。

　そして、リーナも従者にしてほしいと言うのだ。

　え…。どうしよう。

聖大教会帝国では。

　ドーン！ドーン！と爆音立つ市街地。

　聖皇　ダホア・ド・ハエマオは、キレていた。マスター・オオベを連れてこいといったが、拉致してこいとか戦闘をしてこいとかは言っていない。

　完全に勇者達の命令違反である。そして、全員戦闘不能で帰ってきた。

　教会騎士は、マスター・オオベとあったらしく、全員になにかして送り返して来たと言うのだ。

　どういう事だ？戦闘狂でもない。そして、戦闘力が確実に勇者を超えた事がわかった。

　伝言を聞いて、かなりまずい事になったと悟った。

　自由…。そして、要望があるなら呼びつけるのではなく、来い！

　そんな事を女神様に言えるわけがない。

　だが言わないといけない。報告するしかない。不可能だと言うしかない。

　そして、勇者は無能だという話が広まり、それと同時に勇者が引退と、これまでのクエストの正当な報酬と任務の経費の精算を求めてきた。

　内乱が発生したのだ。

　こんな事が起こる事は全知全能の女神様達はわかっているはずだ。なぜ起こった！

　いや、わかっていたということは、起こしたのか？

　なぜ起こさせた？

　聖皇　ダホア・ド・ハエマオは、万が一の時の為に唯一の孫娘にこれから何をするのかを書いた手紙を預けてから、神託の間に入り報告と共に女神様達に問いただした。

聖皇　ダホア・ド・ハエマオ

「全知全能の女神様。わかっていてなぜこんな事をした？」

　女神様は、一切何も言わない。

　其の場にいた、アークシスター達も異変を感じた。そして、異変は疑惑になる。

　そこで、手を打つ聖皇。この神託の間での年に数回の公開を今からさせた。

聖皇　ダホア・ド・ハエマオ

「女神様方。王国にすべての責任を取らせるなら、沈黙を！　反乱軍を皆殺しにするのなら沈黙を！勇者を開放するなら沈黙を！マスター・オオベに対する命令を取り下げられるのなら、沈黙を持って返事をお願いします。

　私が、マスター・オオベに直接会って伝言を伝えるというなら、神託をお願いします。」

　しかし、無言だった。

　なので、すぐに勇者達を開放した。そして、勇者達の冒険者ギルドへの加入禁止も解いた。

　そして教会の騎士団は、勇者と市民に攻撃をすることの禁止する事から解放された。

　その事を知った反乱の市民は、すぐに大聖都から逃げ出すしかなかったのだ。

　そして、後に第一次聖大教会帝国動乱と呼ばれる、この世界の政治的動乱が始まる。

　もはや、勇者としてのチート能力すらなくなったナンバー2達も、逃亡した。

　いつ復讐されるかわからないので、逃げるしかなかった。