アイスクリーム

アイスクリームが美味しい季節になってきた。


夜も少し暑く、エアコン無しでは寝起きに少し汗ばんでいる。コンビニで買ったアイスも家へ着く頃には程よく溶けている。酔った頭に冷たいものは心地よい。


そんなあたたかな酔い夜にひんやりとしたものが喉を通る。


この快感。


ひんやりとしているだけなら、氷を舐めればよい、アイスコーヒーを飲めばよい。だが、アイスクリームのひんやりでしか得られない快感がそこにはある。


梶井基次郎がびいどろを舐めたときに表現した幽かな涼しい京楽とはこれに似た感覚だったのだろうか。アイスはびいどろに比べたら余程涼しいだろうか。


などと少し高尚なことに少し想いを馳せながら、アイスクリームを舌の上で溶かしてみる。そんなこと考えずとも、アイスクリームは美味しいけど、これはこれで少し高尚な味がした。


今年は何度この心地よさを味わえるだろう。

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