第2話
ゆうととまゆこさんの結婚生活が始まった。
しかし、経済的な問題と精神的な問題が
結婚生活が長続きできるかどうか…
早くも混迷をきわめたようだ。
ゆうとの毎月のお給料は、総額17万8000円である。
その中から、ことでん平木駅から志度駅までの1ヶ月の通勤定期券代と保険料とお昼のお弁当代と建て売り住宅を購入した時に足が出た分のローン・月々5万円…が差し引かれる…
正味の手取りは、6万8000円であった。
少ないお給料で、結婚生活を送ることはできない…
まゆこさんは結婚後も働くことになったが、今後のことを考えた上で今の職場をやめた。
今の職場をやめたまゆこさんは、
まゆこさんのお給料は、毎月9万5000円であった。
しかし、支給されるのは8月からである。
まゆこさんは、不足分を補うために
アタシは、ふたりがいない間に家庭のことをした。
最初の1ヶ月の間は、多少苦しくてもがまんできた。
切り詰めるところは切り詰めて行こう…
そう想いながら暮らしていたが、うまくいかなかった。
2016年8月末頃だった。
この時、家庭内で共倒れを起こす一歩手前の危機にひんした。
どうしよう…
こんなはずではなかった…
アタシの気持ちは、サクラン状態におちいった。
時は、8月20日の夕方6時過ぎのことであった。
テーブルの上に、まゆこさんが作りましたエビフライ・グリーンサラダ・きんぴらごぼう・ひじき・たくあんづけが並んでいた。
食卓には、アタシとゆうととまゆこさんがいた。
ゆうとは、ぐったりとした表情を浮かべていた。
まゆこさんは、温かいみそしるをついでいた。
アタシは、まゆこさんが作ったみそしるをひとくち味見した。
アタシは、まゆこさんに怒った声で言うた。
「まゆこさん!!このおつゆは水っけが多いわよ!!」
「義母さま!!アタシは一生懸命になってごはんの支度をしたのよ!!アタシは、足りない分を補うために必死になって働いているのに、なんで分かってくれないのよ!?」
「分かっているわよ!!アタシだって怒りたくないわよ!!」
「だったらアタシを怒らせないでよ!!」
アタシとまゆこさんは、ゆうとの前で嫁姑の大ゲンカを起した。
ゆうとは『ごはん食べたくない!!』と泣きそうな声で言うたあと食卓から出た。
アタシは、ものすごくつらい表情でつぶやいた。
ゆうと…
ごめんね…
かあさん…
また、まゆこさんと嫁姑の大ゲンカを起した…
またゆうとを傷つけた…
まゆこさん…
ごめんなさい…
どんなにあやまっても…
許してもらえないよね…
こんなことになるのだったら、ふたりと別々に暮らすべきだった…と思った私は、ひどく落ち込んだ。
平木に移り住んで大失敗したわ…
アタシは…
どうすればいいのよ…
翌朝6時過ぎであった。
ふたりは、家から出た後に無表情でそれぞれの職場へ向かった。
アタシは、気まずい表情でふたりの背中を見送った。
この日の夕方頃に、アタシはまた嫁姑間のもめ事を起した。
まゆこさんは、足りないぶんをフジグランへパートとデリヘル店で得たお給料で補っていた。
けれど、この最近まゆこさんのお金の使い方が悪いと思い込んだ。
まゆこさんがミキモト真珠のネックレスやカメリアダイヤモンド…の貴金属類を身につけていた。
その上に、ランスルーのハンドバッグ・カルティエのウォッチなどもつけていた。
それを見たアタシは、まゆこさんに対して『高級品を買うお金があるのだったら、家のローンの一部を負担してよ!!』と怒った声で言うた。
それが原因で、また嫁姑間のもめ事を起した。
まゆこさんは、怒った声でアタシに言うた。
「義母さま!!アタシはフジグランのパートで稼いだお金は別の口座に振り込まれるようになっているのよ!!高級品はデリヘルで稼いだおカネで買ったのよ!!アタシだって欲しい品物があるわよ!!おしゃれをしたいわよ!!スイーツ食べたいわよ!!それもいかんと言うの!?」
「まゆこさん!!それじゃあ、この家のローンの返済はゆうとに全部押し付けると言うのね!!まゆこさんはいつから悪い女になったのよ!?」
「この家のローンは、義母さまがまいた種でしょ!!」
「まゆこさんこそなによ!!」
「そう言う義母さまこそ何よ!?もう許さないわよ!!」
まゆこさんとひどい大ゲンカをしたアタシは、ひどく傷ついた。
まゆこさんも、ひどく傷ついた。
サイアク…
ドサイアクだわ…
やっぱり…
ゆうとは、お嫁さんを持つ資格なんかなかったのよ…
アタシ…
大失敗したわ…
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