第3話 乱反射

呼び捨てで


わたしを椿


って呼んだ


声の翡翠(ひすい)が


乱反射した


〔解説〕

翡翠は

深緑の半透明の

宝石です。

椿姫が

不意を衝かれて

その本名と思われる

椿と呼びかけられたとき

その声が

翡翠色に乱反射したように

感じたのでしょう。

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