初恋は君のトランペット
秋色音色
ep.1 初恋
――果たして、初恋をする日が来るのだろうか。
それは僕の中で不思議と芽生えた問いだった。公式や決まった物語が存在している訳でもない答えの分からない問い。初めて好きな人が出来れば、それは初恋と言えるのかと少し考えてみるが、そんな単純な答えじゃない気がした。
その初恋の深淵に迫りたくて熟思黙想する日々を過ごしていた中、ある音を聴いてから僕の身体に異変が起き始めていた。胸の奥をぐっと握られるような痛み、平常時より少し速い鼓動、そして味わったことのない気持ちの昂りよう。僕はその音が忘れられず、次第に好意を抱くようになった。
詰まるところ、これが初恋なのだろう。一瞬で解に辿り着いた気がしたのだ。
その少し変わり種の初恋は、トランペットの音色だった――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます