第47話 修司、エピローグを迎える!
私は弥生。もうすぐ大学生。ごく普通の家に生まれて、ごく普通の暮らしをして育った。そして、大学入学のために初めて実家を出た。田舎から都会の1人暮らし。今日、私はこの街に引っ越して来た。引っ越した先は、古かったがリフォームされたという新しく生まれ変わったアパート。
私は、物件を探す時に、この街が気に入った。大学に近いということもあるが、なんだかこの街は落ち着くのだ。まるで、何年も住んでいたようだ。そう、懐かしいのだ。私はスグにこの街に住むことにした。
そして、このアパート。最初に来た時、私は涙を流した。懐かしい。思い出せそうで思い出せない。でも、“私はこの部屋に住んでいた!”そう思えてならなかった。不動産屋の担当者が、泣いている私を見て驚いていた。
引っ越しは午前中で終わった。段ボール箱を開けるのは後にして、手土産を持って隣近所に挨拶して回った。今日は日曜日。ご近所さんは良い人ばかりだった。
そして、大家さんの部屋もおとずれた。大家さんは、20歳くらいの男性だった。その男性を見て、私は涙が止まらなくなった。
「修司さん?」
私の記憶の全てが蘇った。私はこの人と暮らしたことがある。そして、私はこの人を愛した。
「ああ、やっぱり君があの弥生ちゃんだったんだね。修司は僕の父だよ。僕は息子の修太郎。父も母も、きっと僕はあなたに会えると言われていたんだ。本当に出会えたね。生まれ変わったんだね」
「はい、生まれ変わりました」
「もし良かったら、僕と付き合ってくれないかな? 君は僕の理想のタイプなんだ」
告白された。その時、私の答えはもう決まっていた。
「ほら! やっぱりあの弥生ちゃんだったんだよ! 本当に生まれ変わったんだよ」
「そうね。今度はこのまま幸せになってほしいわね、弥生ちゃん」
「あの2人、上手くいくといいなぁ」
「上手くいくわよ、修太郎は外見も性格もあなたにそっくりなんだから。あなたと違って女性恐怖症じゃないし」
「そうだね。きっと上手くいくよね?」
「さあ、もう行きましょう。後は若い2人に任せればいいのよ」
「うん、行こうか、桔梗」
修司と桔梗が乗った車は、ゆっくりと動き出した。
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