第43話 修司、弥生を紹介する!
「実は、この部屋には弥生ちゃんっていう女の娘(こ)の幽霊がいるんだよ」
「えー!」
「やっぱり」
「桔梗さん、あんまり驚いてませんね」
「だって、前回のピンポンからおかしかったもの。誰が玄関のピンポンを鳴らしたの? あの時から不思議に思ってたのよ」
「私はビックリしちゃいましたけど、桔梗さんが落ち着いてるから、なんか私まで落ち着いてきました」
「修司さん、私達には見えないの?」
「弥生ちゃん、どうなの?」
“いつも通り少し霊力を使えば見てもらえるかもしれません。波長が合わないと見えないと思いますけど”
「弥生ちゃん、やってみて」
「うわ!」
「かわいい娘じゃないの」
「え! 2人とも私が見えるんですか?」
「見えます!」
「見えるわよ」
「初めまして、弥生です」
「初めまして、修司さんの上司の桔梗です」
「初めまして、修司さんの部下の桧山さくらです」
「あなたが修司さんを守ったのね。ありがとう」
「いえ、修司さんを守れたのはお2人のおかげです」
「あなたは、ずっと修司さんと同居してるの?」
「はい、修司さんが引っ越した時からです。最初は修司さんを追い出そうとしたんですけど、円満に同居することになりまして」
「若いわね、弥生さんの年齢は?」
「20歳です。死んだ時の年齢のままの姿です。生きていたら26歳です」
「あ、私と同じ歳だ」
「そうなんですよー! さくらさん、仲良くしてくれますか?」
「はい、私で良ければ」
「桔梗さんも仲良くしてください」
「勿論よ、あなたのおかげで2回も修司さんを救出できたんだから。あなたには感謝しているのよ」
「よかった! 修司さん! 私、お2人と仲良くなれそうです!」
「よかったね、弥生ちゃん」
「修司さん、なんで今まで黙っていたのよ」
「いや、部屋に幽霊がいるなんてなかなか言えないよ」
「まあ、そうかぁ、言えないかぁ。でも、私達は弥生ちゃんに好感を抱いているわよ。これからは隠れなくてもいいからね」
「はい、隠れません」
「さくらちゃん、私の部屋にも来ていいよ。女子トークしようよ」
「はい、喜んで行きます! うわ、女子の友達が出来た」
「それで、弥生ちゃんは修司さんとどんな感じで暮らしてたの?」
「修司さんのリハビリを手伝っていました。隣に座ったりとか。私、生きているものには触れないんですけど」
「ふーん、仲がいいのね」
「はい、おかげさまで」
「寝る時は? お風呂は?」
「修司さんが寝ているときは、私もそこら辺で寝てます。修司さんのお風呂を覗いたりはしてませんよ」
「修司さんから見て、弥生ちゃんは?」
「え! なんだろ? ずっと一緒にいるから家族みたいな感覚かも」
「お嫁さんみたいな感じ?」
「うーん、妹みたいな感じかなぁ。でも、近寄られると緊張するから妹でもないのかも。そんなこと、気にしたことが無かった」
「ふーん、かなり親しいのね」
「うーん、どうだろう? まあ、もう1年以上も同居してるからね」
「うわ、私、弥生ちゃんが羨ましいです」
「羨ましいですか? じゃあ、みんなで一緒に住みませんか?」
「いや、弥生ちゃん、さすがにこの部屋に4人は狭いよ」
「でも、みんなで寝たら楽しそうです」
「そうね、それ楽しそうね。今夜、4人で寝ましょうか?」
「楽しそう! 私、4人で寝たいです」
「勿論、私も賛成です。弥生ちゃん、一緒に寝ようね」
「はい! 一緒に寝ましょう! 私、お友達が出来て嬉しいです!」
「弥生ちゃん、よろしく」
「うわー! 頼れるお姉さんが出来たみたいです。桔梗さん、仲良くしてください」
「勿論よ」
「ふーん、弥生ちゃんは慎也っていう男への復讐がしたくて成仏出来なかったの?」
「はい」
「でも、修司さん達が復讐してくれたんでしょう?」
「はい、スッキリしました」
「じゃあ、なんで成仏出来ないの?」
「もう1つ、願いが叶っていないからです」
「もう1つの願いって?」
「今は内緒です。今度、打ち明けます」
「わかった、打ち明けてくれるのを待つわ」
「なんか、みんなで布団を並べて寝るのって楽しいですね」
「さくらちゃん、はしゃいじゃって」
「なんか、旅行みたい。修学旅行とか思い出します」
「さくらちゃん、枕投げはしないからね」
「えー! しないんですか?」
「それより、私達すっぴんだけどいいのかしら? いいの? 修司さん」
「構いませんよ。みんな、すっぴんもキレイですよ」
「私、眉毛だけ書こうかかしら」
「桔梗さん、桔梗さんはキレイですよ。さくらちゃんも弥生ちゃんもだけど」
「うわー! 修司さん、やっぱり優しい。ねえ、修司さんの魅力について話し合いませんか?」
「さくらちゃん、それ、いいわね」
「はい! 私は女性以外のことでは落ち着いて堂々としているところが魅力だと思います。仕事中とか、超カッコイイです!」
「さくらちゃんは、最初から修司さんのファンだったものね。でも、私の方が修司さんの魅力に気付いたのは早いのよ」
「そうなんですか?」
「修司さんは、周囲に気を遣う優しさと繊細さを持っているのよ」
「あ! 確かにそうですね」
「そうなんです! 修司さんは優しいんです。私の仇討ちもしてくれたし」
「なんか、この話題だけで一晩話せそうね」
修司は聞こえないように耳を塞ぐのだった。
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