無神経な女

東堂上間(とうどうじょうま)



告白しよう。

俺の好きな人は学校一の美女だ。

でも、俺はあいつの顔に惚れたんじゃなくて、優しいところに惚れた。なんでも出来る上に、優しいし、俺もあいつと仲がいいから、付き合っても絶対上手くいくと思う。

正直断られるとは思ってない。

俺もイケメンって言われるし、ていうか、もうあいつと俺はコンビみたいなとこあるしな。

心の中で一喜一憂しながらも授業中、の後ろ姿を無意識に見つめていた。



放課後、あいつと一緒に帰ることになった。

絶対告白する。っとその前に、


「そういえば、八雲って好きな人いんの?」

これを聞かないと、恥かくかもしれないし?


「....あのさ、いるわけなくない?」

「なんでだよ、お前めっちゃ告られるじゃん。」


「告られても好きになんないよ。」

おい、そんなこと言われたら不安になるだろうが。

もうここまで来たら言うしかないし、ちょっと踏み込むことにした。



「それって俺が告白しても?」


「...え?急に何?」

八雲が戸惑ったように聞いてくる。


....やっぱり脈アリだろ、これ。


「俺はお前のこと好きだけど、告白しても付き合ってくれないってことだろ?」

へらへらしながら言った。

いつもの調子で言えたことにほっとする。


でも、八雲の顔は険しかった。


「もし違ったらごめんだけど....これって嘘コクじゃないよね。」




は?嘘コク?


「なんだよそれ。告白したやつに向かって嘘コクとかお前最低だな。」

気分が一瞬で最悪になった。

まさかこんなこと言ってくるとは思わなかった。



八雲って、こういうやつだったんだな。

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