Earth Rhagades

Leiren Storathijs

Earth Rhagades

 西暦三五○○年、地球。

 人類がここまで築き上げた文明と技術は“特異点”を通過し、発展の一途を辿っていた。


 一つは、人類をサポートし、如何なる身の回りの作業を完璧に熟す“アンドロイド”。

 一つは、流通や運搬、武器製造・開発などの重労働、軽作業を担当する“機械生命体”


 アンドロイドは人の手伝いを。

 機械生命体は人の仕事を、代役として長年に渡って続けてきた。


 そして人類は武器の製造や戦争を止めるどころか、それさえも全て機械に任せていた。




 いつだっただろうか。その内の一人の人は


「いつか機械に自我が芽生えたらどうなる?」

と考える者がいた。

 しかしそんな話は笑い話だけで済まされ、誰一人として。本気に考える者はいなかった。

 むしろ機械という無機物に、自我が目覚めるなど、あり得ない以前に考えるまでも無い。妄想にはピッタリだと。

 ほとんどの人間はそう考えていた。



 しかし、これは。誰か一人でも本気で考えていたら、未来は変わっていたかもしれない。


 そんな有りもしないと分かりきっていた事が現実になってしまった永遠に消えない歴史。


 そして現在も続いている話である。

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