康平は遺跡での経験から数週間後、再び夢の中でアヌビスに出会った。この夜の夢は特別で、彼の意識は完全にクリアで、アヌビスの姿も前よりずっと鮮明だった。康平がアヌビスを目の前にすると、神は威厳と慈愛に満ちた声で語り始めた。

「康平よ、お前の成長と旅路に感銘を受けた。しかし、お前にはまだ知らなければならないことがある。お前の隣にいるグディーは、ただの犬ではない。彼は我が化身であり、お前を守り、導くために送られたのだ。」

康平はその言葉に驚愕し、グディーを見つめた。グディーがアヌビスの化身であることに、今までの数々の不思議な出来事が突然納得できるように思えた。

「しかし、お前の旅はここで終わりではない。今、神々の間に争いが起こっており、その解決がお前に託されている。」

アヌビスは康平に向かって、彼がこの争いをどう解決すべきかのヒントを与えた。それは、神々の本質を理解し、人間としての彼らの争いにどう介入すべきかを見極めることに関連していた。

康平は夢から覚めた後、深く考え込んだ。グディーがアヌビスの化身であるという事実が、彼の心に新たな力を与えた。彼は、これまでの旅が偶然ではなく、何か大きな意味を持っていたことを感じた。

その日から、康平は新たな決意で日々を過ごし始めた。彼はまず、神々の争いについての詳細を学び始めるため、図書館やインターネットで古代の神話や神々の性格、彼らがどう人間界に影響を与えているかについて研究を深めた。また、グディーとの日々の散歩や共有する時間が、以前とは異なる、もっと神聖なものに感じられるようになった。

康平はこの新たな章を通じて、自分自身の使命と、グディー、そしてアヌビスとの関係がこれからどう展開するかを見守る準備を整えた。彼の心は、未知の挑戦に対する恐れよりも、解決に向けた希望でいっぱいだった。