第5話
「話が見えない」
「死後の世界に戻りたい」
「戻ってどうする!?」
「いや言ってみただけ」
そうして俺達はしばらく考え込んでいた。
すると、 コンコンッ 誰かが訪ねてきた。
どうやら、ルシファーが来たみたいだ。
ドアを開けるとやはりルシファーだった。
ルシファーは俺達にこう言った。
どうやら、俺達はこれから旅に出なければいけないようだ。
しかも、魔王を倒しに行くとかなんとか。
「明日には出発しますから今日はここで休んでください」
「「はい」」
そうして、俺達は休むことにした。
次の日の朝、俺達は馬車に乗り、王都に向かっていた。
馬車の中では真司とルシファーが会話をしている。
俺はというと、昨日の夜から考えていた事をもう一度考えてみることにした。
まず、俺達はゲームの世界に閉じ込められていると思い、この世界から抜け出す方法を探そうとしていた。
しかし、実はこの世界は死後の世界で、俺達は魔王を倒す為、ゲームをしていた。
「どうも話が見えないんだが」
「俺もそれには同感。だってさ、俺達は死後の世界で『このゲーム』をしていたはず」
「だよな。」
俺達が考えていると、ルシファーが話しかけてきた。
なんでも、この世界は死後の世界と表裏一体になっているらしく、 死後の世界で死んだ者はこの世界に強制的に送られてくるらしい。
つまり、俺達はこの世界の人間ではないのだ。
だからと言ってこの世界から出られるわけではないのだが。
そしてこの世界に来るものはみんな死んでいる。
つまり、この世界には生き残っている者はいないはずだ。
なのに何故、『スキル:生命の波動』を使用して確認したところ
《俺たち以外は全員生きているんだ?》
「なぁ、俺達はこの世界から出られないのか?」
「いえ、出る方法はありますよ」
「本当か?」
「ええ、ただし、その方法とは……」
「ゴクリ」
「この世界にあるダンジョンの最下層まで行ってボスを倒せばいいんです」
「それだけ?」
「はい、それだけです……まあ、行けければですがね」
そうか、そういう事か。俺はこの世界から脱出するため、まずは強くならなければならない。
そのためにはこの世界にいるモンスター達と戦ってレベルを上げなければ行けない。
この世界から出るためには強くなる必要がある。
そのためにもまずはダンジョンに行ってみるか。
俺はそう思い、真司に声をかけた。
すると、ルシファーも話しかける。
「貴方たちはこの世界から表裏一体の世界である死後の世界に戻りたい訳ですね。ですがあのダンジョンの最下層には過去にも同じように死後の世界からやってきたとされる者が挑戦し敗北しています」
そうか、なら俺達が行くしかないか。
俺は真司に目線を送る。真司も同じことを考えていたようで俺の目を見てうなずいた。
俺達はルシファーから情報を聞き出し、ダンジョンの場所を教えてもらう。
そして、俺達は早速ダンジョンへと向かう事にした。
俺達はルシファーに教えてもらったダンジョンへと向かった。
ダンジョンは街の近くにある森の中にあるようだ。
俺達は森の中に入っていった。
「なんでルシファーさんまで付いてくるんすか」
「いや……興味があって……死後の世界に」
「一緒に行きたいんですか!?死後の世界に」
ルシファーはコクンとうなずく。
ルシファーは好奇心旺盛のようだ。
そんなこんなで俺達は無事に森に着いた。
どうやら、ここがダンジョンのようだ。
中に入ると、そこは洞窟のような場所だった。
俺達は奥へと進んでいく。
しばらく進むと、大きな扉があった。
どうやら、ここが最深部のようだ。
俺達は早速、中に入ろうとする。
なぜか強い波動で弾かれてしまう。
よく見ると扉に何かを嵌める窪みがあるのを確認した。
「これなんだと思う」
「扉を開けるギミックのようなものかな」
「そのようですね」
3人はそう理解した。
それを確認すると周りの雰囲気が変わり
魔獣が現れる。
《戦闘態勢を取ってください》
とアナウンスが流れた。
ここは、ゲームと同じようだ。
「ルシファーさん下がっててください」
真司はルシファーに向かって言う。
なぜルシファーさんにそういうかというとルシファーさんは非戦闘員だからだ。
「ええ」
そうして、戦いが始まった。
どうやらこの世界ではステータスというものが存在しないらしい。
つまり、この世界での強さは己の力のみという事になる。
しかし、スキルだけは存在するみたいだ。
ルシファーは後ろに下がり、俺達の戦闘を見守る。
「やるぞ」
「ああ!」
俺達は魔獣との戦闘を開始した。
まずは、俺が先制攻撃を加える。
剣に炎を纏わせ、斬りかかる。
しかし、相手は素早い動きで避け、俺に爪を立てて襲いかかってくる。
それを、ギリギリのところで避ける。
次は真司が相手の懐に入り込み、腹部に拳を入れる。
すると、相手が苦しそうな声を出しながら後退する。
そこに、追い討ちをかけるようにまた、腹部に蹴りを入れた。
魔獣は
「ぐるるる」
と唸り声をあげこちらに敵意を見せる。
「次はこれだ!」
俺が叫ぶと、今度は真司の身体の周りに風が吹き荒れ始める。
「喰らえ!風の刃!!」
すると、無数の真空波が現れ魔獣を襲う。
すると、相手は大きなダメージを受けその場に倒れ込む。
魔獣を倒した。魔獣は光の粒子となり消えその傍らに丸っこい物が残る。
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