ディサービス 彩葉
猫之丞
第1話 ディサービス 彩葉《あやは》
「皆様おはようございます! 今日も1日元気に楽しく過ごして行きましょうね! 先ずは朝の体操から始めますよ!」
僕の朝の挨拶が無事終わりました。次はズラリと横並びに並んだお爺さん・お婆さん達と一緒にラジオ体操を始めます。 皆さん元気に楽しそうに僕の真似をしてラジオ体操をしています。
ラジオ体操も終わり
「さぁ皆様、入浴の時間です。 今日は男性からの入浴になります。女性の方々は今暫くお待ち下さいね」
と僕は皆様に声を掛けました。
「ありゃ。今日は爺様達からの風呂かい。じゃあ待つとしますかね。 トメさんや、一緒にジェンガでもしないかい?」
「いいねウメさん。今日は負けないからね。何時もの様に魔法を使うのは無しだからね」
「それは約束出来ないねぇ。私ゃ負けるのは嫌いだからねぇ」
「じゃあ儂は先読みのスキルを使うとしようかね」
「ちょっ!? それは無しだよトメさん! そんなスキルを使われたら私ゃ歯が立たないよ!」
「じゃあ魔法を使わずに正々堂々とジェンガをしようじゃないかいウメさん」
と楽しそうなお婆さん達の声が聞こえてきます。 どうやら入浴の待ち時間に玩具を使って遊ぶみたいですね。 一方お風呂場からは
「トム爺。 またタオルが破けたみたいだな」
「そうなんじゃよ。儂の身体の鱗が硬すぎて生半可なタオルじゃ2日と持たんわい。どうしたもんじゃろ?」
「じゃったら儂がミスリルでタオル擬きでも拵えちゃろうか?」
「おお、頼むわい。ハンス爺の鍛冶の腕前ならタオル作るのなんて朝飯前じゃろ?」
「……冗談で言ったのじゃが……。まっ、トム爺の頼みじゃ。息子の工房が使える時に作ってみようかの。因みに代金は銀貨1枚じゃ」
「なっ!? 金取るんかい。……仕方ないのぅ。儂の年金から払うかの」
と楽しそうな声が聞こえてきます。
うんうん。皆様楽しそうでなにより。 するとフロアから
「しせつちょさんや。ちょっと良いかい?」
と僕を呼ぶ声が。
「はい。どうしましたかカイルさん」
僕は僕を呼んだカイルさんの元へ歩いて行きました。
「あのな、儂、言いづらいんじゃが……」
「遠慮なく言って下さいね」
カイルさんはモジモジしながら
「オムツ汚してしもたんじゃ。もし良かったらオムツ替えて貰えんか?」
「お安い誤用ですよ。じゃあ動きますね」
僕はカイルさんが乗る車椅子を押して簡易ベッドのある部屋まで移動しました。
「何時でも言って下さいね」
カイルさんを簡易ベッドに寝かしながらそう言いました。
「何時も済まんのしせつちょさん。やっぱりしせつちょさんは儂と同じヒューマンじゃから頼みやすいんじゃ」
「そんな事言ってはいけませんよ。スタッフの皆さんも種族は違えども同じ仲間なんですから。皆さんを頼っても良いんですからね?」
「そうじゃの。儂が悪かったから、そんな怒らんでくれや」
「分かって戴けたら良いんですよ。此方こそキツイ口調になってしまい申し訳ありませんでした」
僕はベッドに寝ているカイルさんに深々と頭を下げました。
「しせつちょさんや、頭を上げてくれんかの。元々儂が悪かったんじゃから、しせつちょさんが謝る必要はないんじゃ」
カイルさんは慌てて僕にそう言ってくれました。
「じゃあ喧嘩両成敗という事でこの話は終わりにしましょう。 はいカイルさんオムツ替えますよ」
そうしてカイルさんのオムツ交換が終わった後、カイルさんの乗った車椅子を押してフロアへ帰ったのでした。
そして時間は流れて午後。 僕はスタッフのエミリさんに言われて思い出しました。 そうだ。これを聞いとかなくちゃ。
僕はフロアで談笑している皆様に
「皆様、来週は皆様がお楽しみのリクエスト献立です。 皆様リクエストを今から配ります紙に記入して、近くのスタッフに渡してくださいね」
と伝えました。 するとお爺さん・お婆さん達は和気藹々と僕が配った紙に自分の食べたいメニューを記入し、近くに居たスタッフに渡していました。 あっ、因みにメニューは1人1品で宜しくお願いいたしますね。
そしてあっという間に夕方になりました。 皆様をお家に送迎する時間です。
皆様に終わりの挨拶を済ませた後、皆様を送迎バスに誘導しました。
「ミュウト君、安全運転で宜しくお願いいたしますね」
僕は運転手のミュウト君に声を掛けます。
「お任せ下さいニャ。責任持って安心かつ安全に皆さんをお送りしますニャ」
僕達スタッフ全員で皆様をお見送りした後、スタッフ全員で施設内の清掃に取りかかりました。
清掃の後、1日の反省会と明日のミーティングです。
本日の全部の業務が終了した後、スタッフさん達は各お家に帰っていきました。
さて、僕も戸締まりを済ませてアパートに帰るとしましょうか。
明日も頑張りましょうね皆様。
皆様お久しぶりです。 多分この作品も不定期になると思いますが、良かったらお付き合い下さいませ。
さて問題。 1話の中に居た種族は何種族居たでしょうか?
これからも拙作を宜しくお願いいたします。
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