第87話 キャンプだけど営業です
今日はキャンプ日和。
続々と歩いてくる人や馬車で乗り入れる人がいる。門のところで案内係が対応。
カイデール殿下とルー(ルルーシェ様)はアグリ様の転移魔法で来たが、またまた足元に、足元にいらっしゃる方はフェルナンド様だ。
「あー、アイリ嬢、これがまた来てしまったのだ。君らの弟達と遊ばせてほしいのだが、いつもすまん、お願いできるだろうか」
「ごめんね、アイちゃん。私とカイがアグリ様の転移魔法で行こうとしているのがバレちゃって、連れてくるしかなかったのよ」
「私たちキャンプの極意を教わるのよね。一緒にやってみるのもいいかしらね。トニー先輩大丈夫かな?」
とりあえず、カイル、レオン、フェルナンド様を連れて、みんなの所に集まった。
「アイリ様、その子達は?」
「この子達は私の弟と、カイデール殿下とルルーシェ様の弟のフェルナンド様です。3人とも挨拶できますか?」
「「「はい」」」
「ふぇるなんどともうちましゅ。よろしくおねがいしましゅ」
「カイルです。よろしくおねがいしましゅ」
おしい、最後しゅになっちゃったよ。
「レオンです。よろしくおねがいしま、す」
レオン、最後頑張ったね。2人ともだんだんしっかりとした口調になってきたよ。成長しているね。お姉ちゃん泣いちゃう。
「皆さん、えーと、弟達も一緒に体験していいですか?」
「あ、あの、フェルナンド殿下様ですか?いやいやいや、恐れ多いですよ」
「わたちもいっしょではダメでちゅか?みなさんといっしょあそびたいでしゅ」
フェルナンド様が上目遣いで聞いてきた。かわゆい。トニー先輩他みんな、うんうんと首を縦に振って受け入れていた。かわいいは正義。
私はフェルナンド様、カイル、レオンの目線になり、お願い事を言った。
「3人とも、危ないことは絶対しないこと。お兄さまやお姉さまのいうことをきちんと聞くこと。3人でふらふらとどこかに行かない。眠い時は絶対言うこと。あちらのテントでキャンプまでのように寝ることができますよ。お約束できますか?」
護衛騎士もいるから大丈夫だと思うけど、念の為、約束させた。
「「「はい、おやくそくまもりましゅ」」」
楽しそうに、目をキラキラさせて、返事をした。かわいい。みんな身悶えしている。
「それではトニー先輩、指揮をお願いします。まずテントの作り方ですか?」
「お、おう、基本的なテントを紹介する。おれ、あ、いや、私が持っているテントはこれだ。これが主流で売られているテントだ。これを風が吹かれても飛ばされないように固定する。まずはここからだ。個人的に買うならこういったテントが良い。学園の備品を持ってきた。今回は主流のテントで実演する」
各班で先輩たちの指導のもとテントを組み立てる。だんだん子供達が興味を失っていたようでつちあそびをしていた。しょうがないなぁ。
「カイル、レオン、フェルナンド様、それとファイナンとコットンはあっちでこのテントを作ってください。前教えたこと覚えているかしら?」
「アイリ様、大丈夫です。こちらでお三人のテントと遊び道具を作成いたします。お任せ下さい」
護衛騎士のファイナンとコットンに魔道テントと空気の入った滑り台と子供用簡易プールを作るようお願いした。ファイナンとコットンは水魔法と風魔法が使えるので、簡易プールに水をはり、私の着火で少し水を温めて、遊ばせよう。魔道テントの中で水着に着替えさせるよう指示した。
「カイル、レオン、遊び方覚えているよね。フェルナンド様によく教えてね。ファイナン、コットンあとフェルナンド様のお付きの人、よく見ていて下さいね」
「おねえちゃま、わかりました。フェルナンドさまにあそび方をおしえます。フェルナンド様、まずテントにいっておきがえをしましゅ」
カイル、おしいのよ。いつも。フェルナンド様を真ん中にカイルとレオンが手を繋いでテントの方へ行った。
「アイちゃん、あれ何?水を張ったけど、プールよね。あれ子供用プールよね。羨ましい、私も水浴びしたいよ」
「そうなのよ、暑いからプールにして水遊びさせようかと思ったの。そして滑り台作ったのよ。子供は滑り台好きだからね」
3人が水着に着替えて、プールの中に入ってキャッキャ、キャッキャしていた。カイルとレオンは慣れているので滑り台の方へ行って滑り始めた。それを見たフェルナンド様も一緒に滑り始めた。
みんな羨ましそうに見ていた。かわいいよね。キャーと木霊している。
さて、私たちはまず主流のテントを作ることにする。
前世の紐で吊し上げるタイプか。
ここは営業をしてみようかな。簡易テント。簡単に折りたたみ、簡単に設営できるテント。あとは風で飛ばないように、四隅を杭で固定する。ドリガン親方にファスナーを作ってもらい、開閉簡単、日差しも付けた簡易テント。もちろん魔道テントもある。魔道テントは簡単に設営でき、魔石で冷暖房完備、快適簡単を目途に作ってもらったものだ。
「先輩、テントを設営するのは大変なのですね。まずは風に吹き飛ばされないように設営することですね」
一年生の男子スペア メルトン君がトニー先輩に感想を言った。
「そうだ、しっかり設営しないと風で飛ばされたり、強い雨で紐が緩みほとんどテントの機能を果たさないただの布化することがある。設営は大事だ!」
「トニー先輩、この前見せたテントは高いですが、こういった簡易テントはどうですか?」
さぁ、営業の時間の始まりです。
簡易テント、魔道テント、魔道コンロ、魔道シャワー、魔道簡易トイレ、普通の簡易トイレ、魔道冷暖房器を出した。
「これはうちの商会が売り出そうと試作しているものです。これを試しに使って感想を報告して、キャンプをする人たちに見せて宣伝してくれれば、タダで貸し出します」
みんな、は?ってかんじだ。
「私たちも試行錯誤して作っているので、実際使ってみて、これは使いにくい、これはいい、こうした方がいいなど報告は必ずすることが条件です。条件に反すると没収か、普通のテント化します。どうでしょう?」
「え?俺たち使っていいの?感想を報告すれば使えるの?」
みんな、どうする?という状況だった。
トニー先輩は、いち早く返答した。
「やる」
それを皮切りにみんなモニターになってくれることを約束してくれた。
では、出しましょう。今日使うテント。どーん。
魔道コンロ、寝袋か簡易ベッドどーん。
魔道シャワー室を一画に作る。
中央に、炊事場。ここでバーベキューをしましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます