間話2 護衛騎士ドリームの結婚
その数日後に、婚約者のディナさんに会い、好きな色などを聞いて、レンタルドレスのような、もう着ることがないドレスを集めて、ウェディングドレスにすることにした。やっぱり女の子はドレスを着ることに憧れがあるかなぁ。
男性は、騎士なので、騎士服にした。
やっぱり、神に誓う結婚式では、白のドレスにベールを纏う。あー、前世に妹が結婚式をしたガーデンウェディングでもしようかな。
まずは、テッシーさんを王都から呼び、ウェディングドレスとなる着なくなったドレスを集めてもらい、デザインを考えていくことを伝える。もちろんディナさんの意見は聞いている。
ドレスなどを集めて、テッシーさんがうちの領地にやってきた。お母さまとおしゃべりで花開いていた。ちょうど、私のデビュタントのドレスをのことを相談したいと思っていたところだったからよかったわぁ、と言っていた。そうですね。そろそろ取り掛からないと行けないのか、あのイベント。
「また、あなたの娘はすごいことを考えたわね。フローレンス」
「そうでしょ、うちのアイリちゃんは、いろいろ考えるのよね。今回はドレスのレンタルで結婚式だったわよね?テッシー、いろいろ、ドレス集めてきたの?」
「そうよ、フローレンス。アイリちゃんが、白のドレスや、色のドレスを集めてって手紙に書いてきたのよ。いらなくなったものを買い取ってきてー、なんていうのよ。いらなくなったドレスを買い取るの??って。もうびっくりよ。でも、売りたいという人、結構いたのよ。それにもびっくりしたわ。だから、結構なドレスの量よ」
「一度着て、次を買う人もいるじゃないの。いらないのなら、こちらが買い取ればいい思ったの。ただ、こちらが出せるお金と、あちらが売りたい金額が違うなら、交渉は不成立にしてしまえばいいことだし」
「本当に,すごいことを考えたわね。これって王都でもやっていけるのではないの?着なくなったドレスをパーティの時などに平民に貸し出すなんて。結婚式のドレスのレンタルなんていいじゃない。平民女性だってドレスを着ることに憧れがあるから、結婚式でドレスが着れるなんて嬉しいことよ。この、ベールって何。もう、ワクワクしちゃうわ」
「テッシー、流行に合わなくなったドレスは捨てるだけなんてもったいないわ。それを使ってリサイクルして作れば、安く売り出すこともできるし、下級貴族にも手を出すことができるでしょう。捨てるよりリサイクルで低価格で、売った方がいいわよ。それに平民はドレスを着る機会が少ないから、一度のために買って、持っていても箪笥の肥やしになるだけだし、貸し出しした方が良いわ」
「箪笥の肥やし?その言葉はちょっとわからないけど、貸し出すのはいいわね。」
「さて、ディナさんの結婚式のドレスは白。お披露目パーティのドレスは水色がいいらしい。白のドレスはデビュタント以外で使うことはないのよね。デビュタントで使ったドレスもあるの?テッシー」
「アイリちゃん、あるわよ。白のデビュタントドレス。一度しか着用しないから売り出されることが多いのよ。特に下級貴族」
「そうなの?でも、デビュタントって、一生に一度だから、ドレスに思い入れとかないのかしら?」
「もう、アイリちゃん、そんなこと思っている令嬢なんて一握りよ。大体は一度着ておしまいというのがほとんどよ。これは画期的なビジネスよ。下級貴族の令嬢は借りて色々なドレスを着た方が楽しいわよ。その時その時に、アレンジをしてあげれば、前に誰が着ていたかなんて、わからないわよ。これはいいわ」
「ふふふふっ、色々テッシー考えていきましょうね」
オーダードレスとレンタルドレス、リサイクルドレスのお店。お父さまとお兄さまにも相談だわ」
数日後、ディナさんの試着会。ディナさんとドリームが来た。
「ディナさん、せっかくだから、いろいろ楽しみましょう。いろいろドレスを取り揃えてみたの。気に入ったのがあれば良いのだけど。それに、少し手直しすれば雰囲気が変わるから、どんどん意見言ってね」
「は、はい。ドレスを着ることが楽しみです」
「まずは、白のドレスから選びましょう。ドリームどうする?結婚式当日に見たい?それとも決まったら見てみたい?お昼頃こちらに来てくれるかしら。一緒にお昼ご飯食べながら、お披露目会の料理などの話をしましょう」
「わかりました。昼、アイリ様の料理が食べられるということですね。楽しみです。昼頃こちらに来ます」
ここにもはらぺこ隊がいたよ。
「よろしく。では、ディナさん、衣装決めていきましょう。」
「はい」
ディナさんは、いろいろなデザインと色のドレスを見て、目をキラキラさせている。やはり、ドレスは着たいよね。
ディナさんはかわいいタイプ。背は160センチぐらいか。胸元にバラのコサージュをつけてみた。それとも胸元を刺繍で施すのが良いかな。髪飾りは生花でフラワーアレンジ。髪型は、ふんわりハーフアップかな。
次に、お披露目会のドレス。ジャポング国との会合で作ったようなデザインが、歩きやすいかな。それとも、ドレスが良いか、本人の希望する方を考慮しましょう。
広がりのないドレスか少し広がるようなドレス、迷いますね。これはドリームの意見も聞いてみましょう。
お昼、ドリームが来たので、どちらが良いか聞いてみたが、当てにならないのが男性。どちらでも可愛いし、綺麗なので選べないだって。
とりあえず、ドレスはどちらかを選ぶことにして、式の段取りを話した。
庭に神父様を呼ぶ
みんなの前で宣誓
祭壇前で新郎が待ち、父親に伴われた新婦。
汝病めるときも、健やかなる時も〜、宣誓。頬にキスで良いですかね。唇にキスですか、キャーーーー。
その後、パーティ。
カイルとレオンのお誕生日会で作った2段のケーキを作ろうかしら。あとは、みんなでつまめる料理とお酒類。最後に両親への感謝の言葉を伝えて、お開きでよいかな。
「アイリ様、ありがとうございます。ディナのドレス姿が可愛くて可愛くて惚れ直してしまいました。本当に可愛いです」
「あ、はいはい、惚気はいいから、ディナさん、ご両親への感謝の言葉を用意してね。大丈夫?一緒に考えましょうか」
「一緒に考えて欲しいです。でも、アイリ様、本当にありがとうございます。このような素晴らしいドレスを着て結婚式ができるなんて夢のようです。みんなに喜んでもらえるような式にしたいです」
結婚式まで、料理の持ち込みがどれほどか、ブライドメイドを友達にお願いしたり、お友達もまた目をキラキラさせて、ドレスを選んでいた。そしてあっという間の結婚式当日。
もちろん、その間、土の改良をし、ヤシの木を植え、野菜畑を拡張しましたよ。それは別のお話。今は結婚式です。
さぁ、結婚式。
朝から準備。
料理やケーキはだいぶ前から作り、マジックバックに準備してある。
結婚式の式場準備。神父様が宣誓する台。赤い絨毯。新郎新婦の親族席。友達席。花のスタンドとリボンを設定し、結婚式という雰囲気。
今度はお披露目会場の設定。まんま日本の結婚式会場。新郎新婦席。あとは立食パーティーのテーブル。疲れた時の椅子。この世界、結婚式にダンスをするので、ダンスができるスペースを確保。
大忙しよ。新婦のドレスと髪のセット。
新郎はまぁ、適当に、おかしかったら修正すれば良い。メインは新婦ディナさん。あと、ブライドメイドのお友達のドレス。ベールを持つディナさんの姪っ子と甥っ子の着替え。
テッシーとドレス部門の従業員総出で、着付け、髪のセットアップ、化粧。前世で見たファッションショーの裏側のような慌ただしさ?それよりは楽だと思うけど、慣れないから忙しい。
ディナさん、可愛くできたわよ。ブライドメイドの友達も甥っ子姪っ子もバッチリ、可愛くできました。
さて、男性陣を見てきましょうか。
「ドリーム、どう?準備できたかしら。ディナさんは可愛いわよ。ふふふっって、ドリーム、全然ダメじゃない。ちょっとこっちきて。髪セット、何そんなボサボサなのよ」
「いえ、これでもセットしたのですが、だめですか?」
「かーーーっ、これだから、男どもは。そこの友達も座って。髪の毛セットするので、もう」
3人の髪の毛をセットして、騎士団服をきちんと来させ、ポケットに花を入れ、できた。できましたよ。
男性陣は神父様の前に立たせて、新婦を待つ状態。さぁ、新婦は、父親と入場です。
うわぁっ、みんなの歓声が、そしてかわいい、綺麗という声が聞こえてきた。よしよし、新婦の甥っ子姪っ子のベールを持つ姿も可愛いぞ。
新郎新婦がお互い見つめ合いながらの誓いの言葉。病めるときも健やかなる時も、富めるときも、貧しきときも〜のフレーズ。誓いますか?くー、私もそういう経験をしてみたかった。誓いのキスをし(2人とも顔が真っ赤ね、ふふふ)盛大な拍手の中、退場。
次はお色直し。お披露目会。
各テーブルに食事、飲み物を置き、ご両親、騎士団の仲間達、お友達、ご近所様達、いっぱいいますね。
その間に、ドリームの両親,男爵ご夫妻、ティナさん両親が挨拶にきた。本当にありがとうございます、と何回も何回も言われてしまった。いえいえ,こちらこそお世話になってます。
お色直しした新郎新婦登場。ここでも、歓声が上がった。淡い水色のふんわりとしたドレス。可愛らしいを強調。髪型も、おろし、ゆるく縛り、毛先をカールさせた。
友達や仲間達に挨拶をし、飲めや歌えやダンスし、楽しんでいた。料理とお酒は好評だった。
そして、ケーキの登場。カイルとレオンの時のような大きい二段ケーキにした。2人の共同作業、ケーキ入刀。お互い食べさせあった。その後、ケーキはみんなに切り分けて配るために、退場。もちろん、みんなにケーキは行き渡りました。
最後は新婦の親への感謝の言葉。父親が号泣していた。みんなもウルウルしていた。
「アイリ様、ありがとうございました。とても良い結婚式になりました。みんなも楽しんでくれましたし、両親達もとても喜んでました」
「よかったわね、無事終わって。良い式だったわ。誓いの言葉のように、いい時もあれば悪い時もある。それを2人で協力し合いながらお互い尊重し、頑張って欲しいわ」
「ありがとうございます。アイリ様15歳の言葉に思えないですよね。ブフッ」
「もう、ドリーム。アイリ様、本当にありがとうございました。可愛いドレス、美味しいケーキ。綺麗な花。素敵な式をありがとうございました。これから、協力し合って、お互い尊重し合って頑張ります」
「ドリーム、やっぱり奥さまはしっかりしているね。お幸せに。」
「「ありがとうございます」」
結婚式はいい。前世、弟、妹たちの結婚式もいろいろ考え、楽しい結婚式だった。
自分の結婚式も考えたこともある、が実現しなかった。私は断然、海派なのよ。だから、ヤシの木は必要。マーメードラインのドレス。誓い合う2人の向こうには青い海。これよー。今世はどうだろうなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます