筋肉娘エリーナの日常

第5話 獣人王の支配 と 親友カーラの危機

遥か昔、獣人王と呼ばれる帝王が人間を支配下に置いていた時代があった。

獣人王は自らの権力を維持するため、

人間を二つのグループに分けて管理することにした。

北のノースタウンにはほぼすべてのアジア人系とアメリカに住んでいた白人を、

南のサウスタウンには強めの遺伝子を持つ白人と黒人とその他の人種を割り当てた。

これらの人々は獣人の娯楽のために作られた闘技都市で、

奴隷としての生活を強いられることになった。

彼らは自由を奪われ、過酷な環境の中で生き抜くことを余儀なくされた。

世代を重ねるごとに、闘技都市に生きる人々は強くたくましく成長していった。

それは獣人王にとって良い闘技奴隷を生み出すことにつながったのだ。

こうして、獣人王の支配下で人間たちは長い間苦しみ続けることになった。

彼らの親達は自由を求めて戦った人々もいたが、

獣人達の圧倒的な力の前にはなすすべもなかった。

しかし、彼らは子に過去の出来事を伝え、いつの日か自由を勝ち取るという

ことを諦めない者もいた。

そして、その日が来るまで、彼らは生き抜くことを誓ったのだった。

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ある日、エリーナとカーラは外壁近くで他の女子たちと一緒に談笑していた。少し離れたところでは、ザリスの子分である男子３人組が、じろじろと女子たちを観察していた。

「おい、あのカーラって女、めちゃくちゃ可愛くない？」

「ああ、まさに俺好みの美少女だな。」

「でも、いつもあのゴリラ女と一緒にいるから近づきづらいよな。」

男子たちは、カーラのことが気になっていたが、そばにいるエリーナが怖くて近づけずにいた。

「だったらさ、カーラをさらってどこかに連れて行けばいいんじゃね？エリーナがいない隙に。」

「おお、それいいな。俺たち３人なら、カーラを連れ去るぐらい簡単だろ。」

「ちょっと待てよ。もしエリーナに見つかったら、俺たちただじゃすまないぞ。」

男子たちは一旦作戦を保留にしたが、そこでふと閃いた。

「そうだ！カーラをおとりにして、エリーナをボスのザリスのところに引き出せばいいんだ！」

「なるほど、ザリスはあのゴリラ女に夢中だもんな。」

「そうすりゃ、俺たちはカーラと二人きりになれるし、ザリスもエリーナと会えて一石二鳥じゃん！」

こうして、男子たちはカーラをおとりにしてエリーナをザリスのもとに引き出し、その隙にカーラを独り占めしようと卑劣な計画を立てたのだ。

やがて、男子たちはカーラに近づいていった。最初は何気ない会話を装っていたが、徐々に女子たちとカーラを引き離そうとする。

「ねえカーラ、ちょっとあっちで話さない？」

「え？でも、私は今エリーナたちと...」

「大丈夫だって。ちょっとだけだから。」

そう言って、男子の一人がカーラの手を引く。カーラは断りきれずについていってしまった。エリーナは女子たちとの会話に夢中で、カーラが連れ去られる瞬間に気づかなかった。

男子たちはカーラを外壁の陰に連れ込むと、彼女を安全に拘束した。

「ごめんね、カーラ。でも、これでエリーナをザリスのところに呼び出せるんだ。」

「そうだ、お前は俺たちとデートできるぜ。ラッキーだろ？」

カーラは抵抗しようとするが、男子たちに口を塞がれ、身動きが取れない。

数分後、エリーナはふとカーラの姿が見当たらないことに気づいた。

「カーラはどこに行ったのかしら？」

エリーナが辺りを見回すと、一人の女の子が慌てた様子で駆け寄ってきた。

「エリーナ！大変なの！カーラが男の子たちに連れ去られたわ！」

「何ですって！？」

エリーナは愕然とした。女の子から状況を聞くと、すぐにカーラを助けに行かなければならないと決意する。

「カーラが危ない！私が助けなくちゃ！」

エリーナは仲間の女の子たちに、自分がカーラを助けに行くことを告げると、迷わず男子たちを追跡し始めた。親友を救出するため、エリーナの戦いが今始まろうとしていた。