第5話
次の日
幼馴染視点
そして、恐ろしい会話が聞こえた。
それは私を階段から突き落とすと言う会話だった。
「・・・」
しかも今回は明らかに私に聞こえる声で言って居る。
怖い。
怖い。
よく考えたら昨日もきっと私に気付いてないふりで私に聞こえるように悪口を言っていたのかも知れない。
ぞくっとした。
優の背中を思い出す。
耐えられない・・・私が耐えられる訳がない。
嫌だあんな、痛いこと、私には耐えられない。
そうして、恐怖で怯えていた。
________
授業中
私はさっきのことで頭が一杯だった。
「先生!!」
その瞬間、優が手をあげた。
「春さんが苦しそうなので保健室に連れて行っても良かったでしょうか?」
「・・・え、」
まさかの言葉だった。
「いや、あの私は」
クラスメイトは笑って居る。
私ももしかして、優に庇って貰ったのかも知れないけど、恥ずかしいし、悔しいし、悲しいし、余計なことをしないでと思っていた。
「わかった。二人で行ってこい」
「はい」
だが、私は嫌だと言わずに、優に連れて行かれた。
________
廊下
「どうして、こんなことをしたの?」
「え、そりゃ階段から落とさせるって会話聞いたから。春さんも聞こえてたでしょ」
「いや、でもなんで」
「え、あごめん。やっぱり余計だった?そう言うノリだったかな??・・いや、ごめんね。明らかにガチぽかったし、保健室でこのまま放課後まで休めば良いかなって思って」
「・・・っ、」
私は安心した。そうだ。優のいう通りだ。このまま保健室にまで行けば大丈夫・・・
じゃない。
「優はどうして、ゴミとかクズとかトイレ臭いとか時に蹴ったり転ばしたりしてたのに、そんなに優しくしてくれるの??」
「え、いや別に優しいとかじゃなくて、いや確かに優しい行動だとは思うんだけど」
「じゃあ、何よ」
意味がわからない。はっきりしない気持ち悪いセリフ
つかよく考えたら、話したのこれが初めてかも知れない。やっぱり普通にキモイやつじゃん。会話も出来ないインキャ
「いやだって、普通に命が危ない人が居たら助けるでしょ」
と思っていた私に、このどんなに傷ついても人を助かることが当たり前の彼に人として完敗した気持ちになった。
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