第13話言い残したサヨナラ

西京極商店街の土産物店に入り、2人で般若心経の書いた扇子を買った時の感動とホクホク感を狙い店奥まで立ち入ったが、明花は通りから一歩も入って来なかった。

 神戸から京都までの遠恋なんてムリだったんだよ。

 余所余所しい隙間風が僕の髪をなぞる。

「じゃあね。連絡してね。」そそくさと席を立って言い残したサヨナラの連絡?

 明花は義理を果たしたとばかりに踵を返した後は振り向かなかった。

 アノときは・・・。

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