第7話 瞳とのなれそめ―発熱して朦朧とした中での出来事だった!
研修終了後、瞳は虎ノ門本社の商品企画部に配属され、僕はあざみ野の中央研究所へ配属された。それからはメールやLINEなどでお互いの近況などを知らせ合ったりしていた。
9月に同期会があって僕も参加したが、瞳も参加していて、久しぶりに会うことができた。それを機会に時々週末にデートをするようになっていった。
12月初旬の土曜日にデートの約束をしたが、僕が風邪を引いて高熱で行けなくなった。そのことを連絡すると瞳は僕にマンションの場所を聞いて見舞いに来てくれた。そして昼と夜の食事の世話をしてくれた。
そしてその晩は心配だからと言って泊まってくれた。瞳はソファーで寝ていたが、明け方になって僕の熱を測りに寝室へ入って来たようだった。そして僕の額に手を当てたので、僕は目が覚めた。
瞳は僕にキスをして布団の中に入ってきた。僕はその時、まだ熱があって朦朧としていた。美幸が僕にキスをして布団の中に入ってきたように思った。
それから瞳は僕に抱きついてきた。僕も瞳を抱きしめてそれから愛し合った。美幸か瞳かよく分からなくなっていたのかもしれない。目が覚めると隣で瞳が眠っていた。
僕は女子とそういうことになったのは初めてだった。ただ、瞳が初めてだったかは分からない。お互いにぎこちないところがあった。
次の週には僕は回復して出勤していたが、瞳に僕の風邪が感染したみたいで、金曜日から会社を休んでいるとの連絡が入った。それでお返しに今度は僕が瞳の住まいを訪ねて行って弁当などの差し入れをしてあげた。
心細いので泊まってほしいというので泊まった。二人とも風邪にかかったので、もううつる心配がないとか言って愛し合った。
それからは2週毎くらいにデートを繰り返して、そのたびごとに愛し合うようになっていった。ただ、愛し合った後にまどろんで抱き合っているときに、瞳を抱いているのか美幸を抱いているのか分からなくなるときがあった。
そのときは、子供のころ美幸と同じ布団で抱き合って寝ていたからだろうと思っていた。今思うに、美幸と瞳はよく似ていた。それは二人が僕のマンションで鉢合わせしたときにはっきりと分かった。
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