第15話 褒賞

「それから――」


 と身勝手国王が俺を見た。

 そしてすぐに視線を外し、王子を見る。


王子があげた・・・・・・魔王討伐の功績は他に類を見ない最大のものだ。

 しかし、前例なき功績ゆえに、与えるべき褒賞が定まらぬ」


 功績に見合った褒賞を与えないと、これまでの褒賞や、今後だれかに与えるかもしれない褒賞の「価値」が変わってしまう。だが前例のない功績なので、与えるべき褒賞も前例がない。どうしよう、困った、というわけだ。

 ……知らんがな。

 なんで何もしてない王子が褒賞を? 今まさに「国家の威信」「王族の権威」というやつの闇を見ている。バカバカしい。ちらっと俺を見たのは、嫌味か何かか?


「そこで新たな勲章を創設し、これを王子に与える事とする。

 本来ならパーティーメンバー全員を表彰するところだが――」


 と身勝手国王が再び俺を見る。

 今度は何だ?

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