詩詠い

@nitiduki

君の手を

いないはずの君の匂いを感じる


いないはずの君の温もりを感じる


本当に?


嘘だ、いや、違う


違う


君の匂いはこんなに、焦げ臭いはずがない


君は、こんな、こんな、こんなに小さくない、君の手は、僕の肌を撫でた手はこんなに小さいはずがないじゃないか


そのむきだしになったしろいはでぼくのくびすじをはんだじゃないか


空を切った己の手を握りしめて、君の手を掴んだつもりでいる

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