銃器が弱すぎる世界に転生したけど銃知識と現代戦術知識で成り上がる
佐々牙嵯峨兎
1章 魔荒国家シルバーホース
第1話 紅の甲弾
荒廃を漂わせる雰囲気と灼熱の光が当たる地に三人の男女が
先頭に立つ青年は黒曜石のように黒いウルフカットで、目つきはつり目であり瞳は純粋な赤を思いさせるクリムゾンで、身長は一六五センチぐらいだろう。
中間に立つ少女は黄金に輝くミディアムで、目つきは少しつり目であり瞳は暗くも赤い黄色で、身長は一六〇センチぐらいだろう。
後尾に立つ青年はトルマリンのように蒼白いショートで、目つきは優しく瞳は薄茶のシナモンで、身長は一七〇センチだろう。
三人は周りに警戒しながら歩くと、数メートル離れた所から子供の泣き声が聞こえだす。
先頭の青年は片手を挙げて、二人止めさせる。
中間の少女は首を傾げながら先頭の青年に聞く。
「どうしたのよ、アレス?」
アレスと呼ばれた青年は、少女の質問に答える。
「数メートル先に少女の鳴き声が聞こえたよ」
アレスがそう言うと他の二人の緊張が走り
少し周りを見ていると、青年がアレスに呼びかける。
「アレス、アレス……
二人は青年が言った方向に向いて双眼鏡を見ると、そこには
それは獣の上に人が乗っていて、肩には籠を支える棒を載せていて、中には子供が五~七人くらい居た。
アレスは青年に感謝する。
「ヴィンセント、子供達を見つけてありがとう」
「嬉しいけど、それよりも子供を助ける方が先だろ?」
「そうだな」
アレスは答えながら
ヴィンセントは首を傾げながらアレスに質問する。
「何だよ、コレ?」
「これは
少女はアレスの知識に感心する。
「アレスって物知りでとってもカッコいいわ」
少女がそう言って、アレスに抱きつく、するとアレスは少し慌てながら落ち着かせる。
「いや俺はそこまでカッコいくないよ」
「そんなことはないわよ。誰かのために考えて動くあなたはとてもカッコいいわよ」
「オイオイ、イチャイチャしていると
ヴィンセントは呆れながら言うと二人はハッと我にかえり、アレスは咳払いしながら作戦を伝える。
「ンン! 取り敢えず俺とアリスは片方ずつの
「そ、そうね」
「分かったぜ」
二人が返事すると、背負っている
「行くぞ!」
「エエ!」
「オウヨ!」
アレスとアリスは
『風の根源よ。今一度、敵を吹き飛ばす空気の弾を撃ち出せ!
ヴィンセントは詠唱し終えると同時に、
「「ウワァァ!?」」
籠の中にいた子供達は急に落ちてきたことに驚きつつ逃げる、
『テメェ、何モンだ!』
『まさか【自由組合】の襲撃か!?』
だが
アレス達は両目を塞いでいたから辛うじて免れたが、
『ギャァァァァ!? 何だよ、コレ!?』
『目が、目がァァァ!? 前が見えねぇぇぇ!』
すると弾丸が三発ずつ発射されて、
『『グァァァァ!』』
すると
『バ、馬鹿な! お前等が持つ銃は弱いはず……?』
『ど、どういうことだ、コレ?』
アレス達は子供達を保護した後は、馬に乗って街に戻る、その途中アレスは子供に質問する。
「どうして大人の言う事を聞かずに、
「そ、それはお母さんに苦労させたくなかったから……」
すると子供は顔をそらしながら理由を話すとアレスは諭しながら言う。
「確かに親を楽にさせたい、お金が欲しい、皆からちやほやされたい、色々な理由がある。だが最初に言った子は親を楽にさせたいから死ぬのは親が悲しむだけだ」
「ウゥ……」
子供は恥ずかしそうにうつむき、アレスはそのまま話す。
「けど親がいない俺達にとってとてもいい事だと思うぞ。その代り心配させたり悲しませたりしない範疇での話だけどな」
「お兄ちゃん……」
「もうそろそろ町に着くぞー」
ヴィンセントがそう言うと子供達は馬から降りて、大喜びで親の所に走っていく。
親も子供が無事な姿を見ると、子供を抱いて泣きながらも喜ぶ。
その様子を見ていたアレス達は喜びながらこの町から立ち去る、しかし子供の親が呼び止める。
「お待ちください、冒険者様達のギルド名を教えてください!」
「俺達の名前ですか? それは……」
アレスは少し考えたのちに、自身達のギルド名を言う。
「俺達のギルド名は【紅の甲弾】だ」
「ありがとうございます、紅の甲弾様!」
アレス達は町の人達にお礼を言われながらこの場から立ち去る。
アレスは自由組合に報告するために向かっている時に、目の前に小鳥が通ってきて目を瞑る。
「大丈夫か?」
「アア、ただ通り過ぎただけだ」
アレスは心配してくるヴィンセントに答えつつ一つの考えが思い過ぎる。
(この世界に転生してもう数年ほどたったんだな)
自由組合に着くまで数時間ほどかかりそうだなと感じ幼い記憶を思い返す。
それはまだ自分がアレス・バンディットだった頃……いやまだ自分が三堂琢磨だった頃の記憶を思い返す。
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