第20話

 しばらく他愛のない話をした。互いに触れてはいけないことが分かっているから。けど、お姉ちゃんが話し始めた。


「あぁ、片目を失うなら神様に妹を治してほしいっていうお願いに使うのに」

「……」

「なんで黙ってるのよ。翠のためなら、この命だってっ……」

「何言う……」

「この命なんて、惜しくはないっ!」

「お姉ちゃん……」


 お姉ちゃんは泣き出してしまった。聞きつけた近くにいた看護師さんがお姉ちゃんを連れ出してくれた。


 色々あって余計に意識させてしまってるな。

 本当にごめん。ありがとう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る