すくへみ
巨大な蛇の姿をした怪異。活動する際は、宿主を垂田穂家の者から選び、周囲の人間を無差別に毒牙にかける。その毒が最初に与えるものは多幸感だ。
ただ生きているという事実にさえまぶしさを覚え、目に映るすべてが愛おしくなる、こんこんと胸の奥から湧き出す温かな気持ち。
それは、この世で最後に感じる幸せだ。
次の瞬間、犠牲者は「幸福を感じる機能」が破壊され、自我が崩壊を始める。あらゆる望みを絶たれ、生きる気力も死ぬ気力も衰亡し、無限の奈落へ。
結果、犠牲者は笑い続ける。絶望の底また底へ落とされた人間に、唯一可能なリアクションでもって、残された命を長い長い断末魔で彩るために。
正常な判断力。思考力。知覚力。望みを絶たれるとは欲求を絶たれること、すなわち食事も喉の渇きも睡眠も欲さず、ただ衰弱死するまで。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます