第34話 時の砂と消えた神社

美鈴彩が朝の祈りを終えて神社の門を開けた瞬間、突如、一陣の強風と共に無数の砂粒が神社を覆った。瞬く間に砂嵐が境内を包み込み、彩はその原因を突き止めるために慎重に外へと歩を進めた。


中心で砂嵐が最も激しい場所に立つと、突然、時間が遅く流れるように感じられ、彩は周囲の景色が次第にぼやけていくのを目の当たりにした。そこに現れたのは、時を操る能力を持つという謎の老人、「タイムサンドマスター」だった。


「美鈴彩、私は時の砂を操る者。この神社に秘められた時の力を解放し、新たな時代を築く。」タイムサンドマスターの声は古くからの響きを持ち、彼の手からはさらに細かい時の砂が流れ出ていた。


彩はOSS10に変身し、タイムサンドマスターの挑戦に応える準備をした。タイムサンドマスターは砂を操り、時間を歪めながら攻撃を仕掛けてきた。彼の砂は触れるもの全てを老化させ、消耗させる力を持っていた。


戦いは神社の全域に及び、彩は自らの水の力を使って時の砂の流れを抑え、時間の歪みを修正しようとした。彼女は水を砂に浸透させ、その流れを乱すことでタイムサンドマスターの計画を妨害した。


「時は誰にも支配されるものではない!」彩は力強く叫び、大量の水を天に向かって放った。水は砂と衝突し、巨大な水の渦ができ、時間の流れを正常に戻す力を発揮した。


タイムサンドマスターは彩の意志の強さに驚き、ついには自らの敗北を認めた。「確かにお前の言う通りだ。時は誰のものでもない。」彼はその教訓を胸に、消え去る前に彩に時の砂の一部を託した。「この力を持って、未来を守れ。」


戦いが終わり、神社は再び平和を取り戻し、彩はこの経験から多くを学んだ。彼女は神社と時間を守る大切さを再認識し、自らの守護者としての責任を深く感じながら、次なる挑戦に備えた。

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