10円のOCEAN

第25話 電撃のゼノン

夕暮れの神社で、美鈴彩は訪れる平和な一時を味わっていたが、その静寂は突然の光と雷によって破られた。空から強烈な電撃が神社の境内に落ち、その中心から一人の男が現れた。彼の体からは青白い電気が弧を描き、地面に触れるたびに火花を散らしていた。

「私はゼノン、雷を操る者だ。ドエトロ軍団がお前を倒すために送り込んだ最後の刺客。今日ここでお前の運命は終わる！」ゼノンの声は電気の音と共鳴しながら、圧倒的なエネルギーを放っていた。

彩はすぐさまOSS10に変身し、迫り来るゼノンの電撃に備えた。ゼノンは速やかに攻撃を開始し、雷をまとった拳で彩を目掛けて突進してきた。彩は彼の速さと力に圧倒されながらも、必死でその攻撃をかわし続けた。

戦いは激しさを増し、ゼノンは次々と電撃を放って彩を攻め立てた。彩は彼の電撃に水の壁を作って対抗しようと試みたが、ゼノンの雷は非常に強力で、彼女の水の力を容易く突破してきた。

「電撃には水が最も弱い！」ゼノンが高笑いしながらさらに強い電撃を放った。彩はこの圧倒的な力に一瞬戸惑いを隠せなかったが、彼女は冷静さを取り戻し、戦略を変えることにした。

彩は自身の周囲の湿度を操り、ゼノンの電撃を地面へと逸らすことに成功した。そして、彼が電撃を放つたびに彼自身が放電するように仕向け、彼の力を自らに向けさせた。

「この戦術…！」ゼノンが一瞬たじろぎ、その隙に彩は全力で水の渦をゼノンに向けて放った。水の大量放出により、彼の電撃は一時的に中和され、彼は防御が甘くなった。

彩はこの機会を逃さず、水の力を最大限に高め、ゼノンに決定的な一撃を加えた。水流はゼノンを包み込み、彼の電撃を完全に打ち消した。

「電撃も、水には勝てなかったか…」ゼノンは力尽き、彼の体は静かに地に落ちた。

戦いが終わり、彩は深く息をつき、再び神社に平和が戻ったことを感謝した。彼女は再び空を見上げ、どんな敵が来てもこの神社とこの町を守り続けると心に誓った。「どんな雷鳴が轟こうとも、私はこの地を護り抜く。」彩は次の戦いに備え、その決意を新たにした。