第26話 ハムタクとラーメン店

「ユーキ、僕も自分の店を持ちたいんじゃ!」

 夕食後みんながのんびりしていたところに、ハムタクが切り出した。

「でも、ハムタク店を持つにはお金かかるよ!」

「宇宙怪人銀行から借りるんじゃ!」

 あ!その手があったか……しかし

「ハムッチとハムニブはすごい額の借金を抱えているんだよ!ハムタクまで借金しちゃったら、大変だよ!ちゃんと返せるの!?」

「大丈夫じゃ!店を流行らせて借金返すんじゃ!」

 うーん、大丈夫かな?でもさ

「どんな店にするの?飲食店でしょ?」

「ラーメン屋開きたいんじゃ!ラーメン屋なら出来るんじゃ!」

「ラーメン屋か……ハムタクが頑張るのならいいよ。明日銀行に行ってみなよ。」

「行ってくるじゃ!」

 ハムタクは次の日宇宙怪人銀行へ行った。あっさり1000万円の融資を受けれた。そんなにほいほい貸して大丈夫なのか!?





 ハムタクはそれから保健所に行って講習を受けたり、物件を探したり、ラーメン屋を開くための準備をした。そして

「居抜きで出来る物件見つけたんじゃ!そこでラーメン屋開くんじゃ!」

 それは良かった。開業資金が少なくてすみそうだ。

「でもどんなラーメン出すの?」

「ベーシックな醤油ラーメンを出すんじゃ!僕が作る醤油ラーメン美味しいんじゃ!」

「確かにハムタクの醤油ラーメン美味しいけど……」

 それで流行るだろうか?まあやってみないとわからないか……

「それで一人でやるの?」

「実は一人でやるのはしんどいんじゃ……ユーキ、ねここ、バイト代払うから手伝って欲しいんじゃ!」

「いいけど……」

「バイト代くれるの!?いいわよ。」

 そして開店の日がやってきた。





 ハムタクの店はこじんまりとした小さい店だ。カウンター中心だがテーブル席もある。今日はおれとねこことハムタクで店を切り盛りする。ちなみにハムタクは毛が燃えないように割烹着を着ている。

「「いらっしゃいませー!」」

「いらっしゃいだじゃー!」

 お客さんが次々とやってくる。ハムニブのラーメンは好評だ。

 店の外には行列ができるくらいだ。

「800円です。ありがとうございました!」

 ねここはレジ打ちを上手にこなしている。そういえばハムニブの野球用品店でもこなしていたな……どこかで覚えたのだろうか?聞いてみる。

「それは母星のネコ星で覚えたのよ。ネコ星と地球のレジはだいたいいっしょだから、出来るのよ。」

「そうなの!?それで違う星でも出来るのか……」

 一つ疑問が解決した。そして今日の営業が終わった。

「二人とも頑張ってくれてありがとうじゃ!」

「どうも。ハムタク、これからもこんな忙しい日が続くとおれとねここもずっとは出られないと思うよ。」

「そうかじゃ……じゃあ他のみんなにも手伝ってもらうん

じゃ!」

「その方がいいよ。あと定休日も決めた方がいいと思うよ。」

「僕も週に一日くらいは休みたいじゃ!毎週月曜日を休みにするんじゃ!」

 今回はかなり見切り発車だった。いろいろこれから問題があったら決めていかないと……





「おれっちも頑張るちゃ!」

 一休も配膳やレジ打ちをして頑張ってくれた。ちなみにレジ打ちはコンビニバイトで覚えたらしい。決して、母星のネズミ星で覚えたのではない。

「私も働くッチ!」

 ハムッチは調理補助と配膳の仕事をやっている。ハムタクとの息もぴったりだ。

 家に居る宇宙怪人総出でハムタクの店を手伝った。もちろんおれも働いている。ハムタクの店はお客さんも増えてきて軌道に乗り始めていた。そんな時だった……





 今日は休みの月曜日だが、おれとハムタクは店にきている。

 なぜかというと……

「ユーキ!ついにGの野郎が出てきたんじゃ!全滅させるんじゃ!」

 しばらく店を開けてきたのでGが出てしまったのだ。

 次の日の仕込みをしながら今日はGの退治をする。

「しかしハムタク!今日休みなんだし仕込みしなくて良くない?」

「ユーキ、わかってないじゃー仕込みをしていたら次の日が楽になるんじゃ!」

「そうなの?まあいいけどさ……」

 おれは結構前にGを捕まえるためにほいほいを設置したが捕まっていないようだ。

「ハムタクGいた?こっちはいないよ」

「うーんこっちにもいないんじゃ!あ!鍋の横に見つけたぞ!殺虫剤を噴射じゃ!」

「!やめろーーー!!!」

 殺虫剤に火がついて爆発した!おれ達は店の外まで吹き飛ばされた!

「ハムタクなにやってるんだ!どこの殺虫剤使ったの?」

「ハムスター星で使われる強力な物を使ったんじゃ……火のあるとこに使ったらダメなやつだったんじゃ……」

「地球で売ってる物を使いなよ…」

 店は爆発で火事になっていた。おれはすぐに消防車を呼んだ。

「これでは全焼しちゃうな……ところでハムタク火災保険は入っている?」

「宇宙怪人火災保険には入っているんじゃ!入ってて良かったんじゃ!」

 しかし火災保険では借りていた建物の保険は下りたが、中にあった調理器具などは保険で補償されなかった。

「なんでなんじゃ……もう店出来ないんじゃ……」

 結局1000万円の借金が残ってしまった。どう返していけばいいんだ……

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