10-1
つやつやな赤い魚が、酢飯の上にのっている食べ物。すなわちまぐろのお寿司を、私は口に含む。
ぷりぷりとして魚介特有のコクがあり、醤油や酢飯にしっかりあう。とってもとってもおいしくて、つい何個も食べたくなっちゃう。そこでパクパクと、何個もおすしを食べる。うん、おいしい。
その時視界が闇で包まれて、気がつけば布団の中にいた。どうやら私はさっきまで夢を見ていたみたい。そうじゃなければまぐろのお寿司を食べるところから、すぐに布団の中にはいかない。
ということで起きる。昨日までうんざりするほどあった仕事とは、今日は無縁。
そういえば昨日は会社では慰労会があった。日々仕事で人生を消費している私が、慰労会に参加出来るわけない。そこで仕事を終わらせてから『お先に失礼します』といつものようにあいさつをして、慰労会でわくわくしている会社から脱出してきた。
誰か『今から慰労会ですよ~』っていっていたけど、そんなの気にしない。私は慰労会には参加しないから。
第一ドアを開けっぱなしにしたまま放置する奴がいるから、体が冷えてしんどいっつーの。ドアを開けたままにしている人は、自分の席がドアから遠い場所にあるから寒さの影響は受けない。そこでたまたまドアの近くに自席がある私が、寒さで苦しむことになるんだ。しかもドアを勝手に閉めると怒られるちゃう。
話をまとめると寒さで苦しんで余計に疲れたから、慰労会になんて行けねーよ。
ていうか慰労会って単なる会社の飲み会でしかないし。何か参加したら8時近くまで残業扱いになる上に飲食代は会社持ちで参加賞としてボールペンももらえるらしい、そんな良いことだらけの飲み会が慰労会なんだ。
それでも仕事で疲れ切った脳や体で、慰労会に参加できるわけがない。参加したら、絶対もっとしんどくなって、この後の仕事にも支障が出るって。
第一慰労会でどうにかできるほど、会社の人間関係はよくねーぞ。上司なんて実習に来た高校生へ社会人になったらこういうの許されないからなんていう、主語の大きい否定の話ばかりする。上司は相手の事情を考える前に、相手を否定するんだ。そーいうのはしゃーない。上司は否定しかできないだってこと、受け入れるしかない。そーいう否定しかしない人と飲み会で仲良くなんてできないでしょ? だからこの場合、飲み会のような慰労会にでないのが正解。
まあそんな風に会社でモヤモヤとしたことがありつつも、起きてからは朝ご飯の時間。今日の朝ご飯は、ピザ。朝からこってりとした物を食べて、そう思われる人もいるかもしれない。でもスーパーで売っているピザはデリバリーのピザと違って、ペラペラしているし具の量も少ない。そこで朝食べても重くはないし、夢に見たまぐろのおすしに負けないくらいおいしい。
朝ご飯が終わってから、歯を磨いて、顔を洗って、服を着替える。寒いからフリースの上下だ。今のような外の気温が一桁代の時は、暖かい服が一番。
テレビではフジテレビの不祥事について、取り扱われている。なんでもこの前の月曜日に、バラエティ番組やドラマの放送をやめて、かわりにずっと記者会見をやっていたらしい。誰の味方なのか、どうなってほしいのか、そんなこと私には分からないまま、問題だけはそこにはある。
そこで着替え終わった後すぐに、私はテレビを消す。
そこで気分転換がわりに、私は部屋を片づける。漫画や本があちこちに積まれていて、適当に放置されている。そんな部屋をもくもくと片づけて、少しずつ綺麗にしていく。
これで会社の現状よりも、きれいな部屋になったかな?
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