7-4
気がついたら、深夜の2時。いつもは夜の11時くらいに寝ているから、それを考えるとかなりの深夜だ。
ということで最終木曜日の9:30にラジオから流れている音楽を口ずさみつつ、天井を見る。オレンジ色の光に照らされた天井は、いつもと変わらずきれいだ。
気を紛らわせるために、SNSを見る。どの党も衆議院選で過半数を取れなかったこともあり、これからどうなるのかについてのつぶやきが多い。
そのうえ大阪でレインボーフェスタがあったらしい。私は奈良で行われたレインボーフェスタには行ったけど、大阪のレインボーフェスタには行かない。そもそも奈良レインボーフェスタは障害福祉でのイベントでもあり、障害者の私にとってかなり興味がある。でも大阪レインボーフェスタは障害福祉とはあんまり関係がないので、そこまで興味があるってわけじゃない。
だけど大阪で行われたレインボーフェスタは奈良レインボーフェスタよりも規模が大きくて、参加している企業も多い。そこで世間では大阪で行われているレインボーフェスタの方がすごいんだろうなって思う。
でもでもでもでも。大阪で行われているレインボーフェスタにはにじっちがいない。かわいいにじっちは、奈良レインボーフェスタにしかいないのだ。
SNSを見ても眠気は全然やってこない。そこでリラックスできるといううわさのある音楽を聴いてみることにした。動画サイトにも上がっている、何分かで眠ることのできる音楽。それをひたすら聞いてみるけど、眠気なんて全く来ない。
とはいえもう夜中、深まりすぎた夜。そこでとりあえず布団へ入り、部屋の電気を消す。どんなに目を眠っても、何も考えないようにしても、眠りは全然やってこない。
そのとき地面がぐらりと揺れた。
ぐらぐら揺れる中、私は深く布団の中にもぐる。そしてゆれがおさまってから、布団から出て、電気をつける。
幸いにも本棚から本が落ちているわけではない。私は誰もいない家の中を歩き、テレビを付ける。震度は奈良と和歌山で大きかったらしい。となればここらへんもかなり被害を受けているのだろうか?
そう考えて、私は玄関へと向かう。靴をはいて、家の外へと出る。誰もいない、死んだ町。その中を1人で私は彷徨う。
朝か昼かは分からないけど、空は青い。いやどこもかしこも灰色がかって、薄暗い。なんだろう? 明るさが、少ない町だ。
その町を私は1人で歩く。誰もいない、誰とも会わない。車も走っていなくて、ただ信号機だけが動いている。ぶっちゃけ不気味。
どうしてこんな人のいない町にいるのか。それが私分からなかった。でもどうしようもない。
その時目が覚めた。
暖かい毛布と布団にくるまれた体、部屋の電気は真っ暗で、まだ朝にはほど遠い。
きっと地震のところから夢だったんだ。いつのまにか寝ていて、夢も見ていたらしい。夢を見ていたなんて、寝ていたなんて。そんなことさっきまで、思いもしなかったけど。
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