第21話
じゃれてくるそぼろを撫でていると物凄い熱い視線を後ろから感じる。恐る恐るその視線の先を見てみるとは〜は〜と顔を赤く染めながらヨダレをじゅるりと腕で拭う六花ちゃんがいた。
その姿を見た雪華さんが頭を抱えながら申し訳なさそうにしている。
「ゆっ裕二さんしょっその子が裕二しゃんの管狐ででしゅか?紹介してもももらっても」
そぼろが怯えている感情が伝わってくる。
(主〜あの人怖いです。凄い顔でこっちをずっと見てきてます)
くーちゃんと同じでそぼろにも嫌われそうだな、このままじゃ不味いよな
「六花ちゃんまずは落ち着こうか!このままじゃくーちゃんみたいに嫌われちゃうかもしれないからまずはお互い挨拶からいこうか、それにこのままじゃまた雪華さんから……」
その言葉にビクッと反応し大人しくなる。
「それじゃぁこの子が俺の管狐のそぼろだよ、尻尾に付いてる模様を見たら何となく思いついちゃって。まだ産まれたばかりで知らないことばかりだから俺も一緒に色々教えてもらっていいかな」
「はい、六花の分かることでしたら何でも聞いてください。では私は雪女の六花です、好きな物はカワイイ物やふわふわしたものです」
とりあえず自己紹介をしてお互い見つめ合う。六花ちゃんは好き好きが伝わってくるが、そぼろは不安たっぷりだ。
「まだお互い会ったばかりだし、六花ちゃんも知らない人にいきなり抱きつかれたら嫌でしょ?だからまずは握手からしようか」
俺はそぼろを両手で支えゆっくり六花ちゃんの前に出していく。六花ちゃんも恐る恐る手を出してついに触れ合う。
「は〜そぼろちゃんモフモフで凄いカワイイです。くーちゃんはキリッとしたクールな感じがしますがやっぱりこれは主の個性が出るんですかね?」
「どうなんだろうね、そこは分からないけど俺にとってそぼろは初めての管狐だし、カワイイと思ってるよ」
「そうですね、そぼろちゃんカワイイです。カワイイは正義ですから。ところでそぼろちゃんはどんな力を持っているんか?」
「あーそぼろの力かーうーんどうしようかな?」
そぼろの力は触れ合うことで相手に化けることが出来ることだけは知ってるけど、化けたら裸だったからな~。もしこの力を六花ちゃんに試したらそぼろが裸の六花ちゃんになる可能性があるんだよね。
「ねーそぼろちゃんはどんな力持ってるの?六花に教えてくれる?」
するとそぼろは自ら六花におでこをくっつけて光り輝く。あっそぼろが力を使ってしまった〜これってヤバいんじゃないか?
光が収まるとそこには予想通り素っ裸の六花ちゃんがいた。いや六花ちゃんに化けたそぼろがいた。
「えっえっそぼろちゃん?えっなんで六花になってるの?しかもはっはだか〜はっ裕二さん見ちゃダメー」
飛びついて目を塞いで来る六花ちゃんを支えきれず後ろに転がってしまう。
「裕二さん大丈夫ですか!?そぼろちゃんはこれを着て」
そぼろの能力を見せれたのはいいがこれからは練習させないとな
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