第17話
今、俺の目の前では六花ちゃんが土下座をして、稲荷ちゃんが仁王立ちで俺の横にに立ち六花ちゃんを見下ろしている状態だ。
「先程は大変申し訳ありませんでした。つい裕二さんに会えた嬉しさのあまりに興奮しすぎてしまって暴走してしまいました」
ふ〜とため息を吐きながら六花ちゃんに口を開く
「まったく、だから事前に行くと伝えておいたのにこれなんだから」
「ごめんなさい、反省してるので許してください」
ぷるぷる震えながら本当に反省しているように見えたので俺は稲荷ちゃんの方を見る。
「は〜裕二さんの優しさに感謝してくださいね。被害も無かったですし、裕二さんが許すなら私から言うことはありません」
怯えながら顔をゆっくりあげるとそこには、不安と恐怖から解放された六花ちゃんの顔があった。
「改めまして雪女の六花です。稲荷ちゃんとは、母の繋がりで仲良くしてもらっていてたまにこうやって会って仲良くしてるんです。今回は、稲荷ちゃんの恩人である裕二さんが今後色々あることを考えて、繋がりを広げるために二人で来てもらいました」
なるほど、たしかにこれから色々なことが起きるのは間違いないから繋がりを広げるのは正しい判断だろう。
「裕二さんは雪女についてどの位知っていますか?」
「そうだなー雪女といえば、気に入った男が山に来たら、遭難させて一人になったところを助けた振りで二人きりになって誘惑して身も心を凍らせて魂を手に入れるとかかな」
「なるほど、なんか色々混ざっているような気もしますがそこは時代の流れもありますので仕方ありませんね。そもそも今の雪女は山にこもってるなんてありえません。最近は温暖化の影響もあって山の気温も高いし、雪も減ったしで山での生活は大変なんです」
なるほど、現代社会に生きる雪女の生々しい生活事情が明らかになっていく。
「現代社会の雪女ですが、まー色々ありますが有名なところでは私の母が経営をしている冷菓会社とかに務めていたりしますね。冷たい食事も平気なんで味見もどんどんして色々な製品を出してるんですよきっと裕二さんも目にしている物があるはずです」
六花ちゃんの話を聞くと、六花ちゃんのお母さんが経営している会社は本当に誰でも、知っているような有名な会社で暑いときには大変お世話になっていた。
「本当この世の中は知らないだけでたくさんの妖怪の人が共存してるんだね」
「そうですよ、裕二さんもこれからはその世界に仲間入りするんですから慣れでいかないと驚きすぎて疲れてしまいますよ。みんなが知らないだけで、世の中はたくさんの妖怪などの魑魅魍魎であふれているんですから」
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