動かない点Aと動く点Pの物語
チャンキチ
第1話 点Pは毎秒2cmの速さで・・・
俺はじっとこの三角形の一番鈍角の先でじっと動き続ける点Pを見ていた。
点Pは毎秒2cmの速さで俺と点Bさんと点Cのやつで構成している三角形をひたすら得意げな表情で回りつづける。
「おい、点A。やっぱ思わないか?自由に動けた方がさ、人生楽しいだろ?へへ」
点B先輩が
それに気づいた点Cのやつは場を和ませようとなにかを言いたげだが良い言葉がみつからず、不気味な顔で固まっている。
点Cのやつは先輩に愛されるいい後輩なのだが器用さには欠けるようだ。
「おい点P。止まれ!さすがにやりすぎだ。俺たちはいいけど点Bさんの前だぞ。お前も後輩だろ?場をわきまえろ」
しかし点Pはとまらない。
昨日俺は、点Pと点Cのやつと行きつけの「面積」に入り一杯飲んだ。
そのとき俺と点Pは口論になった。
「おい、点Pそんなに自分の自慢ばかりするな!場が白けてるのがわからんのか!
大体なお前は俺たちが作った図形の上でしか動けないんだぞ?わかるか?」
「うるせぇ、黙ってじっとしてろ!定点らしくよぉ」
「おまっ・・ それ以上何か言ったら動けなくするぞ!」
「最初から動けない定点どもがなにを言う」
「おい!そもそもお前はな中学から出てきた新参ものだろ?俺たちは小学校のころからの仲なんだよ。俺たちの雰囲気に合わせろ」
そこで点Cのやつが間に入る。
「まぁまぁそこらへんにして面積からでましょう。ほかの点の邪魔になりますよ・・・。」
そうして俺たちは面積から出た。点Pは面積からでると、すぐ動いてどこかの点へ向かっていった。
そして翌日このありさまである。
点Pは点Cのやつを折り返し点B先輩のところへ動いていた。
「おい君点Pおまえ中学生から嫌われているの知ってるか?」
この点B先輩の言葉は確実に効いていた。点Pは動きこそ止めなかったが明らかに表情が変わったことが分かった。
さすがは点B先輩とおもった。
そもそも点Pは最初は定点だった。
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