第17話017「壊して治して壊して治して⋯⋯以下略(プレイバック)」



「おい、結城。放課後、生徒指導室まで来い」

「⋯⋯」


 佐川たちのことがあってから1週間が経過した。すると、あのむかつく先生に呼び出された。


 そいつの名前は、えーと⋯⋯何だっけ? 忘れた。別にいいか。いいな。


 ということで、俺は先生のご要望どおり生徒指導室へとやってきた。


「お前、佐川たちと何かあったか?」

「何か⋯⋯とは?」


 俺はしっかりすっとぼけた。


「何かじゃない! 最近あいつら3人が妙に怯えているじゃないか! お前何かやったのか!?」


 どうやら、先生は俺がやったことだと決めつけて・・・・・話を始めている。


 相変わらず失礼な奴だ⋯⋯まー間違ってないけど。


「いえ、別に何も⋯⋯」


 そして、俺は当然シラを切る。すると、


「ふざけるなぁぁ! どうせお前が何かしたんだろうが?!」


 バン!


 先生はそう言って両手で机を叩き脅すように俺を睨む。


「何を根拠にそんなことを? 何か証拠でもあるんですか?」


 しかし、そんなの全く怖くも何ともないので俺はさらにすっとぼける。


「佐川と一緒にいる3人から聞いたぞ? お前に酷い目に合わされたって!」


 おーっと、どうやら佐川以外の取り巻きビッグ3が先生にチクったらしい。というわけで、あの3人にはもう一度反省・・してもらおう。


「そんなのできるわけないじゃないですか? こんな非力な僕に」


 俺はまだまだすっとぼける。


「ああ、私だって信じがたい。でもな、あいつらは相当怯えた目をして俺に訴えてきた。あれは嘘を言っている目ではなかった! ということは、お前がやったことに間違いない!」


 いやいやいや「間違いない!」じゃねーよ。証拠も何もねぇじゃねーか。


 まー、一方的な意見を尊重する安定のクズ先公っぷりに、俺はこれからやること・・・・・・・・にいよいよ何の躊躇もなくなった。


「先生は3人の言葉だけを鵜呑みにして俺に罪を訴えているようですが、それっておかしくないですか?」

「鵜呑みではないし、おかしくない! あの3人の言っていることは事実だ、間違いない! なんせ俺は人を見る目があるからな。だから俺が間違ってあろうはずがない!」


 なるほど。だいぶ昭和な人かな?


 いやいや、それ以上にもはやまともな思考じゃないよ。誰かに操られてるんじゃないかとさえ勘繰ってしまう。ということで、そんなクズ先公にその程度のことを言われたところで俺が自白するはずなどなく、


「そんな証拠もない話を聞いて俺が罪を認めるわけないじゃないですか? 大の大人が何言っているんですか? 先生、ちょっとまともじゃないですよ?」


 俺は「そろそろかな?」ということで、先生を煽り始める。


「ああ?! 何だ、その口の聞き方は?! それが先生に対する物の言い方かっ!!」


 教師の風上にも置けないクズ先公がのうのうとそんなことをのたまってきた。



 あーもう限界だな、うん。



 我慢の限界に達した俺は(達するの早過ぎ。早漏か? 早漏言うな!)、



 ガシッ!



「あ? なんだいきなり? 俺の右腕を掴んで何を⋯⋯」


 ボキ⋯⋯リッ!


「え? ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 クズ先公の右腕をポッキリ折ってやった。


 あと、うるさかったので『光属性上級魔法:小規模静寂スモール・サイレント』を使って、周囲10メートルの気配や音を完全に消してやった。



********************



——2時間後


「わかってくれましたか、俺の言い分を?」


 コクコクコクコクコクコクコクコクコク⋯⋯っ!!!!!


「俺は何もやっていないし、先生は今のこの状況はまったく覚えていない。そうですね?」


 コクコクコクコクコクコクコクコクコク⋯⋯っ!!!!!


 う〜む。デジャブである。


 俺は佐川たちにやった『ポキポキグシャポキからの上級回復ハイヒール』を2時間たっぷりと繰り返した。


 その結果、クズ先公はやっとまともになってくれた(体育座りで怯えて震えているのがまとも・・・とは?)。


 ふぅ〜、良いことした。


「じゃあ、先生もあいつらと同じように俺がやったなんて誰にも言わないでくださいね? 言ったらまたもう一回・・・・⋯⋯ですよ?」


 コクコクコクコクコクコクコクコクコク⋯⋯っ!!!!!


 こうして、俺のざまぁは無事完了コンプリートした。



 その後、俺らの担任だったクズ先公は学校を辞めた。辞めた理由は「実家に帰って家族のお世話をするため」だそうだ。


「そっか〜⋯⋯先生って佐川たちよりも心弱かったんだな〜」


 そう考えたら佐川たちって偉いよね?(だいぶ適当)。


 まー、何にせよ、これにて『ざまぁ完了』である。


 さっ! 明日から楽しい学校生活を楽しむぞぉー!



********************



——2週間後


「初めまして。この度2年2組の担任になった風祭 風香かざまつり ふうかと申します。これからよろしくお願いしましゅ⋯⋯あ!」


「噛んだ」

「噛んだ」

「しましゅ⋯⋯とか、最高かよ!」


 俺たちのクラスに新しい担任がやってきた。


 学校、対応早いな。やるやん?


 ていうか、やってきた担任だがロリで巨乳でした。



 ロリで巨乳⋯⋯だとっ!?(クワッ)



 俺を含め、クラスの男子生徒ほぼ全員が『風香ちゃん先生』の『二大巨砲』に釘つけになったのは言うまでもない。


 もちろん、周囲の女子たちからは『ゴミにたかるハエを見るような目』で見られたのは言うまでもない。


 しかし、これは仕方ないだろう。甘んじて受けよう。


 なんせ『ロリ巨乳』である。


 ロリで巨乳だよ?


 こんなのに反応しないなんて、男⋯⋯いや『漢』の風上にも置けないと声を大にして言いたい。こればかりは男子全員の総意であると言わざるを得ない(クワッ)!!



 こうして、俺の本当の楽しい学園生活が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る