異世界再生神話〜神は万能ではない〜
犬星梟太
第0話 プロローグ
ローブを着た青年の眼前には九体の神がいた。
六本の腕とそれぞれの手は二本の刀、剣、槍、斧、盾を持つ武術の神『武術神』。
第三の目。白ローブに身を包み。魔法、遁術など、全ての法術の神『法術神』。
天使のような姿。翼で覆われ、美しきその姿は誰も見たことない女神『聖天神』。
魚ような見た目と筋骨隆々の巨漢な姿は豪傑そのもの。海の神『海神』。
大蛇に座り、その両脇には黄金の羊と漆黒の獅子。
豊満な胸に妖艶な姿は男性だけではなく女性をも惑わす女神『地母神』。
青い肌と蝙蝠の羽、山羊と牛の角を持ち悪魔ような姿は人々に恐怖を齎す。魔の神「魔神」
ギリシャの神を思わせるその装いで他の神を見下ろす巨躯な姿。
力の神「巨神」。
世界のエネルギーを循環する存在。
人型に変形するその姿は男性とも女性とも受け取れる美しい姿。
木の神「神樹」。
最も古くから存在する最強の龍。
龍の神『神龍』。
彼は今からこの神々に戦いを挑もうとしている。
『挑戦しますか?』
「イエス!」
彼の挑戦は開始された。
それにより神々が動き始める。
彼は神々が攻撃を開始する前に法術を唱える。
「付与神法術 アンチヒーリングアンカー」
≪神龍、法術神、聖定神、神樹にレジストされました≫
碇が鎖を連ね、神々に襲いかかり何体かの神の動きを封じる。
「付与龍法術 ゴッドドラゴンプレッシャー」
≪神龍にレジストされました≫
神龍を除いた神々の顔色が悪くなり、法術の効果により神々のステータスを下げる。
「これで何体かは真面に戦えないな。でもこれだけじゃないんだよ。
水神法術 ポセイドンフォース」
≪自身のDEF、VITが8倍になりました。残り時間 2時間≫
「付与龍法術 仙龍血」
≪自身のATK、STR、DEF、VITが4倍になりました。残り時間 2時間≫
彼は青と白色のオーラを纏い、自身を強化する。
「死神法術 ゴッド・デスブレス」
≪敵全体のHPが30%減りしました≫
「雷神法術 ライジング・バーン」
≪副効果により、武神、魔神が麻痺しました≫
「氷龍法術 龍氷天蓋」
≪副効果により、武神、神樹:人型形態が凍結しました≫
彼から放たれた法術は天災の如く降り注ぐ。
「よし…武神は真面に動けないな。」
「装備変更!鬼宿る甲冑!
真・煉獄緋色刀・鬼式!!」
彼が身付けてるいる指輪が光り、彼の姿は一瞬にして魔法使いのようなローブから侍のような甲冑姿に変わった。
そして手にしていた杖が刀へと変わった。
「スキル“鬼化”“魔装”“闘気”を発動」
彼の姿はさらにオーラを纏い、鬼ように変わり、装備の甲冑はさらに禍々しくなった。
「指定ターゲット 法術神」
彼が唱えると刀は輝きだす。
今彼の刀は指定した対象のみを絶対に斬る。
「まずお前だ!」
『法術神が金法術術 三重“金剛障壁盾”を唱えました』
『法術神が土法術術 五重“崩落柔盾”を唱えました』
『法術神が混合神法術術 紫雷灰塵壁を唱えました』
法術神は彼の攻撃を阻止しようとするが…
「無駄だ!“刀・神技(しんぎ) 天割れ・一糸光道”」
彼は武技を溜め、法術神の幾重にも重ねてた法術の盾をすり抜けて法術神を斬り割き、一撃で倒す。
『法術神を倒しました。』
(「よし、サポート役は倒せた。次はヒーラーの…」)
彼は法術神を倒すと、次にヒーラーを倒そうとするが…
「指定 聖天… !」
『魔神が炎神法術 ヘル・インフェルノフェスを唱えました』
さっきまで彼がいた場所はクレーターに変わる果てた。聖天神を倒そうしたが他の神に阻まれた。
麻痺していた魔神が既に復活し反撃してきた。
「やっぱ指定と溜めは時間が取られるな。序盤にサポート役の二体倒せたのはデカい…!
後はスキルが切れる前に神龍以外は倒さないとな。
武器と装備もまだ温存しなきゃな」
彼は情報を整理するためにブツブツと一人ごとを話す。
そしてゲームで最強、最高、最終の試練に心が再び昂ってきた。
「やっぱ最高だな『ミソクリ』は!」
◇
今、彼がプレイしているのは『Mythology Creation』通称ミソクリは種族、職業、スキル、武術、法術、装備の全てが進化していき神に挑戦する。課金ありのVRMMOゲームだ。
『ミソクリ』の種族、職業とプレイする地形環境を紹介しよう。
種族は
『初期種族』に『人族』、『獣人族』
『魚人族』、『ホビット族』、『人魔族』、『エルフ族』、『ダークエルフ族』、『鬼人族』、『龍人族』の9つの種族から自由に選べる。
そして初期種族のホビット族、人魔族、エルフ族、ダークエルフ族、龍人族には『進化種族』があり
それぞれホビットは『ドワーフ族』、
人魔族とダークエルフには『魔族』、
エルフ族とダークエルフ族には『フェアリー族』、
龍人族には『龍族』がある。
『課金種族』もあり、『巨人族』『天使族』、『人魚族』がある。
設定のみの種族『鬼族』。
最後に全種族の『最終進化種族』である『神族』。
職業は全部で三つ選ぶことができ、
殆どの職業は五段階の進化があり、
『初期職』、『中級職』、『上級職』
『高位職』、『最高位職』がある。
例は、【剣使い】▶︎【剣士】▶︎【剣師】▶︎【剣王】▶︎【剣神】
が挙げられる。
最後に地形だ。
地形は12大陸に別れている。
『光の大陸』…ゲームの初期地で様々な種族が住んでいる。
その為さまざまな文化入り混じっていて様々な神を崇めている。
クリア推奨レベルは3,000だ。
『聖の大陸』…多種族が住む大陸とは別に天使族が住まう天空島が存在しています。全ての国が『聖天神』を崇めている。
クリア推奨レベル5,500or30,000。
『氷の大陸』…巨人族が最も住み、氷に覆われた大陸。『巨神』を崇めている国が多い。
クリア推奨レベル23,000。
『砂の大陸』…砂に覆われた大陸。
『地母神』や『神獣』を崇めている。
クリア推奨レベル65,000
『樹の大陸』…フェアリー族やエルフ族、ダークエルフ族は多く住む大自然に恵まれた大陸。
『神樹』を崇めている国が多い。
クリア推奨レベル80,000
『海の大陸』…魚人族、人魚族が多く住む大陸。南国にような大陸。小さな島々が点在している他、深海などフィールドもある。
『海神』を信仰している国が多い。
クリア推奨レベル122,000
『伊の大陸』…和風な大陸。『鬼門』が存在していて、鬼人族発祥の地。
クリア推奨レベル200,000or 1,000,000
『華の大陸』…遁術の基礎や体術や気功術などに流派が点在し、戦闘技術が高く攻略難易度が一気に上がっていく。
クリア推奨レベル450,000
『魔の大陸』…魔族が多く住み、魔法が発展した大陸。
『魔神』を信仰している国が多い。
クリア推奨レベル900,000
『龍の大陸』…龍族や龍人族が多く住む大陸。
『神龍』を信仰している国が多い。
クリア推奨レベル2,000,000
『技の大陸』…最も技術が発展していて『生産神』を信仰している国が多い。
クリア推奨レベル100,000
『無の大陸』…モンスターしかいない何もない大陸。新しい国を発展させていきましょう。
クリア推奨レベル100,000,000
このような感じに、このVRMMOはラノベに出てくるような自由度の高いゲームだが、種族それぞれに目的があり、様々な神に挑み『無の大陸』を開拓するゲームだった。
ソロプレイはもちろん、最大12人のチームを結成し、マルチプレイも可能
しかも最新機器である別売りのVRを使うことによって脳波を読み取りコントロールが必要無くなる。
つまり手や足、さらには目や声が話せない人でもゲームがプレイできる。
2X8X年に発売されたこのゲームはラノベ好きだけじゃなくゲーマー、VRが安価になったことより老若男女を問わずプレイしている。
何度もアプデされ、ゲームの内容は濃くなっていった。
神に挑戦するゲームが神になれるゲームなったときは賛否両論だった。
しかし、いざアプデ後は批判の声は聞こえなくなった。
今まで挑めなかった種族限定の神に挑戦することやドロップアイテムでしか入手出来なかった神級、星級アイテムという最強アイテムが作成可能になった。
このゲームが人気の一番の理由はゲーム通貨で現実のさまざまな割引券、商品券に換金できるためである。食品はもちろん、家電製品、映画、海外旅行までも換金できるため、お小遣い稼ぎやバイト感覚でやる人がたくさんいた。
8年間その人気を独占している。
そのゲームを彼はリリース当初から遊んでいる古参プレイヤーだ。普通の会社員の彼にとって、唯一の楽しみだった。彼女にドン引きされ、フラれるほどのめり込んでいる。
◇
「あとは神龍おまえだけだ。」
≪鬼化の効果が切れました≫
≪魔装の効果が切れました≫
≪闘気の効果が切れました≫
敵があと一体になったとき、彼のバフが切れてしまった。しかもEPも残り僅かになってしまっていた。
「木神法術 “プリズンユグドラシル”」
≪神龍を拘束しました≫
≪神龍のMPを500,000を吸収しました≫
大樹が神龍を襲うと、神龍から大樹、大樹から彼へとエネルギーが流れていく。
「炎龍法術 “獄龍血”
水龍法術 “溝龍血”
スキル“龍化”“神気““身体強化・極”発動」
彼は僅かになったEPで神龍の動き封じると同時に神龍からEPを奪い、最後の闘いのために自身にバフをかける。
『神龍が雷龍法術 “無限雷閃”を唱えました』
≪レジストに成功しました≫
『神龍が風龍法術 “無限嵐空”を唱えました』
≪レジストに成功しました≫
『神龍が闇龍法術 ”無限皇闇“を唱えました』
≪レジストに成功しました≫
神龍が彼に対して使った法術は全て封印系属性法術だ。しかし、彼の耐性スキルは全てカンストされているため、属性法術は彼に意味を無さない。
神々も耐性スキルを有しているが、彼には耐性スキルを貫通する装備を備えているため、神々に属性ダメージを与えることが出来る。
「装備変更。精霊に祝福されし鎧、戦い終わりし裁きの神槍。」
再び彼の姿は変わった。最初のローブと次の甲冑とも違い、今度は煌びやかな美しい鎧なった。
槍は簡素だが神々しいオーラと禍々しいオーラの両方を合わせてもっている。
≪神龍が付与龍法術 “仙龍血”を唱えました≫
≪神龍が金龍法術 ”剛龍血“を唱えました≫
≪神龍が土龍法術 ”巌龍血“を唱えました≫
神龍は防御上昇系の法術を次々と重ねていく。
≪神龍がスキル”息吹“を発動しました≫
さらに神龍は発動の溜めがないスキル攻撃を使用した。しかし彼のこの装備は30分に一回だけどんな攻撃だって無効できる。
「これで終わりだ! “槍・神技 ゼウスの槍”」
彼の攻撃は神龍を貫き、神龍は消え去っていく。
『神龍を倒しました』
彼の勝利だ。
『試練 “神王への道 その3”をクリアしました』
『最終隠し職業 神王が解放されました』
『職業を変更できます。変更しますか?』
「YES」
『変更してください』
アカウントID 焔・煉獄終焉
所属 極星(12/12)
種族 神族
Lv.100,000,000
第一職業 全神
第二職業 法術神
第三職業 管理者(第二位権限)
「第一職業を“神王”へ、第二職業を“全神”へ変更」
『実行します』
アカウントID 焔・煉獄終焉
所属 極星(12/12)
種族 神
Lv.100,000,000
第一職業 神王
第二職業 全神
第三職業 管理者(第二位権限)
『完了しました』
『神王の特典としてステータス上昇がとアイテムが手に入れました』
(「お、これでステータスのカンストが増えた。
でも称号は手に入らないか…
アイテムは…あとでいいか。
でもこれが最後のクエストかー。
生産神とか神獣とか閻魔大王も加えて欲しかったな…アプデに願うしかないな」)
彼が闘った神以外にもまだ
生産の『生産神』、八体の獣の神『神獣』、死者の裁判を行う王『閻魔大王』とこのゲームの神がいる。
「よし! 終わり
空間神法術 神の抜け道」
彼は転移した。その先は小汚い小屋だ。
「我が名は焔・煉獄終焉、暗証コード “極星結成の地”」
ガチャ
彼が暗証コードを唱えると鍵が開いた。
この暗証コードとアカウントIDが一致しないと入れない。
彼が中に入ると質素で小汚い。
一見すると内装までも小汚い小屋だが家具の質は国級アイテム以上の物ばかり。
「装備変更 “神狼毛の部屋着”」
半袖短パンに変わる。これはドロップアイテムでカスタム可能だ。パジャマにもなるし、浴衣にだって変われる。
このゲームには快眠システムがありゲームを開始するとき、快眠状態だとバフがあり種族ごとで内容は違う。もちろん立ったまま開始することも可能だが、24時間以上立ったままだと不眠状態になりデバフになる。
そのため初心者以外は皆んな寝具にはこだわりをもっている。
彼の寝具はペガサスの羽毛枕、コカトリス羽毛布団、キングスライムのウォーターベッドだ。
このすべてのアイテムが神級アイテムだ。
彼はこのアイテムが現実にもあったらと何度も考えていた。
ふかふかのベッドに入る
「メニュー」
メニュー一覧
▶ ステータス
・フレンド
・オプション
・セーブ
・ゲーム終了
「セーブ」
『セーブしています』
「明日が楽しみだ!」
彼は明日、メンバーとの報告会がある。彼のメンバーは全員が世界ランキング99位以内に入ってる。
そんな彼等でも最近は目立った報告がないので今回の隠し職業で大盛り上がりだろう。
『セーブ完了しました』
「ゲーム終了」
彼は満面の笑みでゲームを終了しようするが…
『ゲームを#%うr7o*s/m@+“$』
ゲームの様子がおかしい。
プツン
ゲームが勝手にシャットダウンしてしまった。
「え?!」
彼は焦って起き上がりゲーム本体を確認し、PCに繋ぎ再起動をした。
「なんだ。よかったー、壊れたかと思った」
ゲームに異常はなくゲームデータも保存してあった。
彼はPCの電源を落として、一様運営に連絡して寝ることにした。
ふわー
「おやすみ」
(???)
「アラワレタ。我ガ王」
そこには岩の椅子に寄りかかるローブを被った人物がいた。
「コノ時ガ来タ、ズット、ズット、ズット待ッテイタ、古ノ時代カラ…」
ゴッホ、ゴホ、ゴホ
「ハァ、ハァ、ハ…八百萬ノ神々二守ラレシ國、日本カ、コレワ運命?必然ナノカ?」
ゴホゴホ
「早ク始メナクテハ、時間ガナイ…」
ローブの人物は苦しそうに立ち上がる。
すぅーー
ローブの人物は息を整えて魔法のようなものを詠唱し始める。
「我ガ力ヨ、時間ヨ、空間ヨ、
我ガ命ヲ捧ゲル、
全テノ時空ヲ超エ、
異界カラ我ラノ王ヲ呼寄セヨ
時空神法術 “異世界召喚”」
ローブの人物は光に包まれていく。
「王ヨ…申し訳ありません。私は消えてしまいます。此処へ来て、私の手記をお読みください。そして、どうか我々の願いを…」
ローブの人物はどんどん若返って女性だったのが解っていく。
しかし、彼女の姿は薄れて消えていく。
(地球)
1人の男性の部屋に法術陣が形成された。
そして、男性の身体は粒子となり法術陣ともに消え去った。
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