第4章 創造の結晶

イマジンプロジェクトが一つの区切りを迎え、creativiaが誕生したことで、剛志たちの挑戦は新たな局面を迎えていた。


「creativiaを社会に還元していくためには、まだまだやるべきことがある」

ミーティングで理沙が語る。


「企業や大学、研究機関との連携を進め、creativiaの可能性を探っていきたい。剛志君には、引き続き技術面でのサポートを願いたい」


「了解です。creativiaにはまだ成長の余地がある。アップデートを重ね、より洗練されたものにしていきます」

剛志は力強く宣言した。


チームは連携先との交渉に奔走し、実証実験の準備を進めていく。異分野の専門家とも議論を重ね、creativiaの活用方法を模索する日々だった。


一方、剛志はcreativiaの深層学習に没頭していた。「自由な発想と楽しむ心」というコンセプトを更に昇華させるには、どんなアプローチが必要か。


悠人と議論を交わし、新しいアイデアを出し合う。


「音楽や絵画だけでなく、自然の風景からもインスピレーションを得られるんじゃないか?」

「なるほど、四季折々の美しさをデータ化するのか。面白そうだ」


発想を広げ、試行錯誤を繰り返す。徐々にcreativiaは進化し、より自由で創造性豊かなアウトプットを生み出すようになっていった。


そんな中、剛志は理沙から呼び出しを受ける。


「実は、ある大手広告代理店からオファーがあったんだ。creativiaを使って、新しい広告キャンペーンを立ち上げたいと」


「広告ですか。確かにcreativiaの出番かもしれません」


「ただ、広告という商業的な用途に使うことに、少し抵抗もあって...剛志君はどう思う?」


理沙の問いかけに、剛志は真剣に考え込んだ。


「確かに、創造性を金儲けの手段にするのは違うような気もします。でも、むしろcreativiaの力で、広告の在り方自体を変えられるかもしれない」


「どういうことだい?」


「型にはまったつまらない広告ではなく、人々の心を動かし、世界をもっと面白くするような広告を作る。それこそがcreativiaの本領ではないでしょうか」


剛志の言葉に、理沙の表情が明るくなる。


「そうだね。新しい価値を生み出すために、creativiaの力を使うべきだ。剛志君、広告代理店との打ち合わせに同行してくれないか」


「よろしくお願いします。creativiaの可能性を存分にアピールしてきます」


交渉の場で、剛志はcreativiaが生み出した自由な発想とユーモアに富んだアイデアを披露した。広告代理店の担当者たちは驚嘆し、即座に採用を決めた。


「こんなに斬新な広告は見たことがない。是非うちでやらせてください!」


大型プロジェクトの受注が決まり、イマジンチームは歓喜に沸いた。だが、これは新たな挑戦の始まりでもあった。


creativiaを使い、これまでにない画期的な広告キャンペーンを作り上げていく。その過程で、creativiaはさらに成長し、人々を驚かせ続けた。


クリエイティブの力で、世の中を楽しくする。剛志はcreativiaと共に、そんな夢の実現に向けて突き進んでいく。


人とAIが生み出した創造の結晶が、世界中を駆け巡っていった。


第4章 完

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