最後の物語

第40話 大魔道士ドルゾー

 それから2か月がたち・・

「キュー。ちいはどうした?」コングが聞いた。

「ずっと一人で座っている。元気がないんだ」

「体が透明なのも治らないよ」とジル。

そこへ魔女が急いで駆け寄った。

「町に大魔導士ドルゾーが来ているよ。旅の途中らしい」西の魔女が興奮していた。

「なんと!このネックレスの事が詳しく聞けるかもしれない。行こう」ジルが言った。

 町の酒場にドルゾーがいた。

皆が駆け寄る。

「あの、すいません。ドルゾーさん。このネックレスをこ存じですか?」キューが言った。

大魔導士ドルゾーはすごいオーラを放っていた。髪が長く、背の高い老人だった。

「うむ。これは確かに私が作ったネックレス。誰かに盗まれ、無くなっていた」

「俺も人から譲り受けたが、詳しくは出どころが分らぬ」とコング。

「女の子が時空を超えて、このネックレスの近くに現れる現象が起きています。

時空に関係しているネックレスなのですか?」と魔女。

「うむ。たしかに時空に作用する魔術がこのネックレスの石に込められておる」

「女の子は元の世界に戻れますか?」ジルが聞いた。

「それは、どうだろう。女の子を見てみないとね」

「ちいを連れてこよう」

「私が呼びに行くわ」サリーが言った。

しばらく待つと、サリーがちいを連れてきた。

「この子です」

ドルゾーは透明になったちいを見た。

「うむ。これは戻れないだろう。元の世界になんらかの異常が起き、

魂が分身したのだろう。元の世界の女の子の体を正常化しないとだめだろう」

「わたし・・事故にあって・・」

「うむ。元の世界の体を早く正常にしなければ、最悪、魂が消滅するであろう。

見た所、急いだほうが良い。消滅しかかっておる」

「ぼ、僕は行けませんか?元の世界に。何かできる事があるかも」

「キュー・・」ちいが言った。

「うむ。このネックレスをちょっとかしてくれ。石にその世界の情報が刻み込まれているはず」

ドルゾーは額にネックレスをあてて、情報を読み取った。

「一度だけ・・一度だけなら、なんとかその世界へ行ける・この砂時計にネックレスの石をはめると戻れる。

だが、砂時計の砂が落ち切ると、強制的にこっちへ戻される。石も壊れ、もうその世界へは行けぬだろう」

「賭けになる。その世界へ行って、どこにいるかわからぬその世界のちいを探し出し

体を治す。砂時計が落ち切る前に」ジルが言った。

「砂時計が落ち切る時間は?」コングが聞いた。

「夜中までた。一日もない」

「僕は行くぞ!ちいを助ける!」

「ちいを探せるのか?」ジルが言った。

「俺も行く。キューだけじゃ困るだろう」とコング。

「よし。3人で行くか!」ジルが言った。

「この小瓶を持っていきな。ちいがいたら振りかけるんだ。

傷など、体を回復させる魔法の砂だよ」魔女は小瓶をキューに渡した。

「うむ。今行くかね?」ドルゾーが言った。

「消滅する前に早く行きたい」コングが言った。

「うむ。店を出よう」

「お城に行こう」キューが言った。


 お城で皆が集まった。キュー、コング、ジルは手を取り合った。

「よし。やるぞ。目をつぶれ」ドルゾーが言った。

「ちい。きっと大丈夫だよ」キューが言った。

「キュー・・ありがとう・・」

ドルゾーは両手を広げ、呪文を唱えた。

青い光が空から降り注ぎ、砂時計にはめられたネックレスの石が赤く光った。

ブワーと衝撃しょうげきが起こり、空間が揺れた。

「三人とも、手を強く握るのだ!」ドルゾーが言った。

三人は手をしっかり取り合った。

グワーンを衝撃が起き、3人はワープした。



「ここは・・?」

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