5. 余裕

 「私はパスワードを、使い回さない。」

 男はそう言って、スマホの画面へパスワードを入力していった。

 (初めは押しにくくて仕方なかったが この小さな画面も今となれば慣れたものだ。)

男の両手に迷いなく。無意識の従う通りに指を走らせる様はもはや熟練したピアニストのそれである。

 一通りの入力が完了し、男は送信ボタンを押した。しかしながら、

 「あれ、パスワードが違う。」

 一瞬の混乱

(30分経過 記録: 200文字)


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