第21話  コウはモンスター退治へ!

 しばらくおとなしくしていたコウだったが、3ヶ月もすると、ハンナやリンダが新しい生活に慣れたようで、笑顔を見せることが増えて安心した。更に3ヶ月様子を見て、コウは、更に安心したのでまた旅に出ることにした。特に、リンダがもう死のうと思わないようになったことを確認したかったのだ。同じように夫を早くに亡くしたローザと、リンダは仲が良いようだった。もう安心だ。これで旅に出られる。


「今度は何処に行くの?」

「辺境。モンスター退治をしてくるわ。サラ、心配は要らんで」

「今度は、私達もついていくぞ」

「アターシャ、アイナ、アイリーン、相手はモンスターやで。僕自身、モンスターを相手にするのは初めてやねん。何が起こるかわからへん、家で待っといてや」

「いや、ついていくぞ」

「子供達は?」

「ここは女性が多い、皆、私達の子供の面倒を見てくれるよな?」

「「「「「「「OK!」」」」」」」

「ということだ、止めても行くぞ」

「わかった。じゃあ、馬車で行こう。留守中のことは、シュリに頼むことにする」


 ようやく辺境と呼ばれる地まで着いた。村に入り、宿をとる。コウは宿の支配人にモンスターについて聞いた。とにかく情報を集めないと話が前に進まない。


「ここら辺にモンスターは現れるんですか?」

「ええ、少しでも山に入ったら襲ってきます。時々、山から降りて来て村を襲います」

「そのモンスターに賞金は?」

「懸かっています」

「よっしゃ! おおきに」

「コウ」

「今日は宿で休んで、明日狩りに行くわ」

「そうだな、休もう」


 コウは宿で3人を相手にしたので、休まりはしなかった。むしろ疲れた。だが、心地よい疲れだった。


「さあ、朝やで!」


「コウ、行くのか?」

「いや、まず朝飯や」

「食べたか?」

「食ったで!」

「待っていたぞ、暴れるのは久しぶりだ」

「いや、トイレ」

「いい加減にしろ」

「わかったよ、トイレがすんだら行くわ」


 4人は山道に踏み込んだ。


「出るかな?」

「出て来るやろ」

「お姉様、やる気満々ですね」

「久しぶりに一暴れしたかったんだ、アイナやアイリーンもそうだろう?」

「そりゃあ、まあ」

「多少は」

「なんだ? お前達、やる気が無さそうではないか」

「そういうわけではないんだけど」

「家で子育てするのも楽しいから」

「お前ら、宿に戻ってもええで」

「戻らないよ」

「流石に今更戻らないわよ」

「あ、あそこ」


 身長2メートルを超える魔人が現れた。


「あれが魔人やな」

「どうする?コウ」

「先手必勝や」


 コウは、右の腰に長剣、左の腰に聖剣、背中に日本刀という3刀流になっていた。まずは、聖剣を抜いた。


「私達も援護するぞ」


 アターシャがナイフを投げた。魔人の皮膚は硬いようでナイフは弾かれた。続いてアイナのボーガン。なんとか突き刺さった。だが、致命傷には至らない。アイリーンがダイナマイトを投げた。コウは伏せた。爆発で、魔人は下半身を破壊された。そこへコウが斬り込む。


 一撃目は不発だった。魔人の表面を覆っている粘液で刀身が滑った。2撃目は魔人の首に深く届いた。魔人は首から血を噴き出して倒れた。


「ようやく1匹かよ」


 スライムが現れた。コウは考えるよりも先に身体が動いた。斬る。はずだったが、弾力性があり過ぎて斬れなかった。スライムが2匹、3匹と現れた。アターシャのナイフ。今度は刺さった。アイナのボーガンも別のスライムに刺さった。スライム達は変色して蒸発した。


「なるほど、毒か。最後の1匹は僕にやらせてくれ」


 スライムが跳びはねる。コウは剣に念を込めた。


「鬼も斬り裂く神武流や」


 今度は、スライムを両断出来た。2つに割られたスライムは蒸発した。


「ちょっと待て!」

「どうした? コウ」

「蒸発してしまっては、懸賞金がもらえないんとちゃうか?」

「気にするの、そこか?」

「賞金を稼ぐためにやってるんやから、大事なことやんか」

「魔人の首でも持って帰ればいいだろう」

「ちぇっ、スライム3匹分、ただ働きしてしもた」

「もう帰るのか?」

「まだいるかな?」

「いるだろう」

「ほな、奥へ進んでみよか」

「おー!」

「なんで、アターシャはそんなにやる気やねん」

「まだ暴れ足りないんだ」

「そんなことやから、賞金首になるねん」

「失礼な、私達は義賊だったんだ、悪い金持ちしか襲わなかった」

「それにしては好戦的だな」

「こんなに長い間戦わないことは無かったからなぁ」

「家で子供を育ててくれたらええんやけど」

「子供は愛しい。子育ても楽しい。だが、運動も必要なんだ。それに、モンスター退治なんて正義の味方になった気分だ。こんな気分の良い戦いは初めてだ」

「アイナとアイリーンもそうなのか?」

「いやあ……」

「私達は子育ての方が楽しいかも」

「アターシャ! 妹達はこう言っているぞ」

「アイナとアイリーンは、今後、ついてこなくてもいいぞ」

「それも難しいかなぁ……」

「私達3姉妹は一心同体だし」

「あ……出て来たわ」



 茂みから魔人が現れた。今度は3メートルを超えるだろう。奥に行くほど、強い魔物が現れるのだろうか? このモンスター退治がいつまで続くのかわからない。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る