インターハイ開幕20

 3クォーター終了時で、得点は80-80で同点。


 運命の4クォーター。


 これで全てが決まる。


 俺は2分間のインターバルで、息を整えてもう一度、頭を切り替える。


 第4クォーターでは、慧を戻す。


 城伯高校の4クォーターのスタートメンバー


村野樹 3年 174㎝ PG 背番号5 副キャプテン

斉木慧 3年 180㎝ C 背番号4 キャプテン

田畑貴 3年 178㎝ PF 背番号6

原智樹 2年 172㎝ SG 背番号10

伊田灯 3年 176㎝ SF 背番号8


三ツ谷高校のスタートメンバー


市村義人 3年 PG/SG 167㎝ 背番号4 キャプテン

立川渉 3年 C 198㎝ 背番号5 副キャプテン

吉村圭太 3年 SG 179㎝ 背番号6

野崎クロース・ドルー 2年 SF 189㎝ 背番号7

ジェームズ・レイル・スターズ 2年 PF 196㎝ 背番号8


 2分間のインターバルが終了し、いよいよ、4クォーターが始まる。


 まずは三ツ谷高校のオフェンスから。


 市村はドリブルに緩急をつけた。


 緩く弱いドリブルから、抜く直前で強く低い、さらに、速いドリブルをする。


 ドリブルの緩急に、一瞬、戸惑ったが、俺はシュートをさせないように、進行を塞ぐ。


 シュートができないと悟った市村は、ドリブルを止め、パスをしようと試みる。


 そのとき、立川に合図をする。


 立川は市村の合図に、スリーポイントラインまで広がった。


 そして、野崎が立川の元いた場所、ゴール下へとやってきた。


 野崎にパスを出させないように、ディフェンスしているのは、灯。


 粘り強いディフェンスでパスを出せない。


 すると、立川はジェームズに目で話しかけている。


 ジェームズは頷くと、台形の中に入り、市村にパスをくれとアピールする。


 それでも、市村は、なんとか隙を狙おうとするが、パスは出せない。


 ジェームズはパスが貰えそうにないとわかると、スリーポイントラインまで流れる。


 この繰り返しで、市村を除く4人が、スリーポイントのラインに沿って、半周した。


 その瞬間、ブザーがなる。


 このブザーは、24秒。


 24秒以内にシュートを打たなければならない。でも、三ツ谷高校は、パスが出せず、シュートもできず、24秒を過ぎてしまった。


 これで、オフェンスは城伯高校になる。


「ナイス! ディフェンス!!」


 慧が言うと、ベンチから美香の声も聞こえてくる。


「ディフェンス、いいぞ!」


 また、高宮コーチも親指を立てて、俺に声をかけてきた。


「ナイスだ!」


 俺は何故か照れてしまった。


 ディフェンスは弱いほうだったので、ここまで、ディフェンスも強くなったんだと成長を感じた瞬間だった。

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