第17話 半魚妖精(ラタペ・ルフォ)とその加護
顔や二の腕に残る傷跡。
依頼主から聞かされていた風貌、ではこの人物が……
「……ほう、まさかここまでこれるやつがいるとはな」
相手は初めビアトロに驚いていたが、すぐに彼を値踏みするかのような目を向けはじめる。
「あなたがラトプ?」
その視線にさらされながらの
「ああ。さて、あんた親父に頼まれたんだろう。俺をここから連れ出してくれ」
まるでビアトロを待ちかねていたかのようなラトプのふてぶてしい態度にビアトロは面食らう。
「え、ええ」
そこでビアトロは気づく、祭壇の影に水路に浸かって上半身だけを見せている女性が隠れていた事に。
その姿を見たビアトロには心当たりがあった。
「まさか
人同様の姿を取ることもできるが、水中では下半身を魚のようにすることができると言われている。
「あ、ああ。
……心配するな、こいつは多分さっき聞こえてきた音色の主だ」
ラトプの言葉にビアトロを見て怯えた表情を浮かべていた
「彼女達は臆病でな、めったに人前には姿を表さない」
「ええ」
旅のさなか耳にした噂を思い出しビアトロは頷く。
「彼女は俺がここにいる間、面倒をみてくれたのさ。
……世話になったな、
後半の自分に向けたラトプの言葉に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます