第18話 ターゲット

 ダークネスは同時にシフとクラウドに回し蹴りをする。


 シフとクラウドは咄嗟に左右に分かれて転がり、回し蹴りを逃れる。だが、すぐにダークネスの拳がクラウドに迫る。


 クラウドは大剣で防ごうとしたよりも先に、シフの細剣がダークネスの脇腹を叩き斬る。


 クラウドにパンチをしようとしたダークネスの懐へと入り込んだ。ダークネスにとっては不覚だった。


「なるほど、やってくれるじゃねぇか」


 ダークネスはバランスを崩したものの、なんとか整えて、倒れずに済んだ。フッと笑うと余裕の表情を見せる。攻撃は浮けているものの、ダメージはほとんど受けていない。ということは、どこかで、しっかりと受け身をとっている。


 ダークネスがシフをターゲットにしている。シフに拳を振り上げた瞬間、クラウドの大剣がダークネスを狙っていた。


 ダークネスはクラウドの気配を感じていた。大剣がダークネスの肩を貫こうとした寸前、どこから合図を出したのか、4つ足の得体のしれない生き物が4体も姿を現した。


 その生き物がクラウドに一斉に襲い掛かる。


「くッ!」


 この得体のしれない生き物は、モンスターだ。クラウドは大剣をダークネスからモンスターに振る。


 モンスターは一時的に倒れたものの、すぐに起き上がり、クラウドへと向かっていった。


 加勢しようとシフもモンスターに細剣を向けとき、ダークネスの拳が顎に直撃した。


「うっ……」


「おまえの相手は俺だぜ。俺がたっぷり遊んでやる」


 ダークネスの言葉に、シフは嫌な予感がする。どいつもこいつも、男は性に飢えているのかとさえ思う。


 シフは細剣を握り直すと、ダークネスを睨みつけた。


「私はあんたと遊びたくはない」


 跳躍して細剣を横なぎにして、ダークネスに飛びかかる。しかし、ダークネスに躱され、後ろから手刀で首を叩かれる。

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