第3話 逆風
陽一の運動が広がりを見せ始める中、予想通りの反発も浮上してきた。彼の言動が社会的な波紋を広げると同時に、保守的なグループや一部のメディアからの批判が激しくなる。これらの批判は彼の個人的な経歴や発言の細部をあぶり出し、公の場での信頼を傷つけようとするものだった。
「こうなることは分かっていた。でも、後戻りはできない」と陽一は固く口にする。彼の仲間たちもまた、彼の決意を支持し、一層の団結を誓う。
ある日、陽一はテレビの討論番組に招かれる。番組では、障害者の権利について議論が交わされることになっており、陽一はこれをチャンスと捉えていた。しかし、番組が進むにつれて、彼に対する厳しい質問や誤解に基づく批判が続出する。
番組の後、陽一は公に批判されることのプレッシャーと戦う必要に直面する。SNSやメディアでの反応は分かれ、彼の言葉がどれほどの影響を持つかを彼自身が痛感することになる。
この状況に心を痛めた真希は、陽一を励まし続ける。「あなたの声が必要な人たちがいる。だから、声を上げ続けて」と彼女は言う。
そんな折、陽一は障害を持つ子供たちとその家族を支援するチャリティイベントに参加することになる。イベントでは、彼のスピーチが大きな感動を呼び、多くの参加者から支持を得る。この経験が彼に新たな勇気を与え、メディアの批判に立ち向かう力を強める。
一方、陽一の活動に触発された他の障害者もまた、自分たちの声を上げ始める。彼らは自身のブログやSNSを通じて、日常で直面する問題や成功体験を共有し、陽一の運動に力を加える。
陽一の運動が進むにつれて、彼は社会の見方を少しずつ変えていく。彼の言葉と行動がもたらす影響は、逆風の中でもじわりじわりと広がりを見せていた。
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