同人誌作りたい欲を持て余す日

 前世でいっぱい作ったもの、同人誌。


 同人誌作るのって楽しいんですよ。

 私の居たジャンルというかカップリングは本当にマイナーで、まあ全然売れないというかお友達+αくらいの量しか刷らなかったんですが、それでもめちゃ楽しかった。

 出来上がった本をイベント当日に確認するのが大好きでした。

 ダンボール開けると刷りたてのインクの香りがするんですよ。それが凄く好きで。


 編集も好きだし表紙作るのも好き。表紙描くのも好き。イベント前のヒリヒリしたTwitter(いまはXとやら)も好き。早割りも好き。ていうか締切が好き。


 同人誌出してえなあ。

 でも私一次創作で文学フリマとか出ても一冊も売れなくて泣きながら帰る気がする。


 一次創作の同人誌って難しいんだなってめちゃくちゃ思った事があってですね。

 二次創作の時のお友達で、フォロワーが十万人くらい、何かもう世界中にファンが居る絵描きさんが居たんですよ。原作が世界的人気の漫画でね。


 同じジャンルの時はマイナー繋がりというか、

「今日折り本ちょっと持ってきた〜」

 みたいな感じでキャッキャウフフとアットホームにお付き合いしてたのですが、人気ジャンルに異動したらもう大変。


 列整理!売り子!電卓忘れた!私持ってきたよ!


 みたいな。

 仲良しだもんでたまにお手伝いさせてもらってまして、彼女のいっぱいのファンの人を目の当たりにして、新刊完売した後に

「すごいねー!」

 みたいな事を言ったんですね。

 そうしたら彼女がね。凄く冷静に。


「これは実力じゃないから」


 って仰ったんですわ。

 フォロワー世界中に十万人居るのに。神絵師なのに。大人気なのに。一日一本鉛筆使い切る程練習する努力家なのに。


「なんで??」


 って聞きました。

 彼女は元々一次創作の男性向け非エロで長く活動してた人でして、一次創作は売れないのが当たり前、その中で売るから凄いんだと。

 だから、二次創作はあくまで原作とキャラクターの人気に乗っかってるだけで、これは私の実力では無い、という事らしく。

 当時二次創作の現場しか知らなかった私は衝撃を受けました。

 自分に厳しすぎでは?だって列作る程ファンの人が居るのに。


「一次創作とかほんと全然売れなくて、隣のスペースのおじさんと『いやー全然売れないっすね!あっあそこのサークルさんすごいオススメっす』みたいな話してたのめちゃくちゃ楽しかった」


 みたいな事を言っている彼女と、ひたすらカルチャーショックを受ける私。

 いや確かに二次創作の発行部数って原作の人気に著しく左右されるんですが、それにしても謙虚過ぎない?


「二次創作で売れるのは実力では無い。一次創作は誰にも手に取って貰えなくて当たり前だ。その中で売るから凄いんだ」


 私はガクブルしながらそれを聞き、その数年後、ガクブルしながら一次創作の敷居を跨ぎました……


 そんな訳で、「一人も読んでくれない」を覚悟して来た一次創作。

 幸い、運が良かったのか読者さんがお優しいからか、あと自主企画の主様達の神輿を担がせて頂いているからか、投稿サイトでは思ったよりご拝読いただけていて、大変有難い限りでございます。

 本当に何時もありがとうございます。


 でも同人誌はまだ無理だ絶対売れん。何なら一冊も売れん。自分で言うのもアレだけど、お金出してまで読みたいと思って貰えるものは書けてない。


 でも!! 同人誌作りたい!


 そんな私に朗報です!

 同人誌一冊から作れる印刷屋さんがあるんです!


 RED TRAINさんの「ワンブックス」というサービスで、ほんと一冊から作れるんです……

 っていうか実は極少部数同人誌作った事あるんですよねコレで。


 大好きなマンガ描きさんがね、ずっと前に売り切れちゃった二次創作の再録本をね、

「印刷代は全額負担するし、何なら全部買い取るからから再発行してくれないか」

 ってとんでもない事を言ってくれてね(恐ろしい実話)

 それが嬉しすぎちゃって、

「一冊から作れるサービスがあって使ってみたかったんで、フルオーダーであなたの為の一冊を作ります」

 って回答したら、

「じゃあ人が殺せるくらい分厚い再録本が欲しいので、Webのみ公開のとか新しい本とかも全部入れて欲しいです」

 ってまた嬉しすぎる事を言ってくれたので、その方の為だけにすげえ分厚い再録本編集して作って送り付けたという……いや実費だけいただきました。

 編集作業が多少大変だったのですが、そもそも私が彼女の作品のファンでしたから、いつも萌えを恵んでいただいているお礼として喜んでやらせて頂いた次第です。

 めっちゃ楽しかった。

 ちなみに記念に自分の分も刷ったので、都合二冊。

 二冊でも同人誌は作れる。

 何なら一冊でも作れる。やったー!


 同人誌作りたいなー!

 カバー付きの文庫本が良いなー!


 短編が溜まってある程度ページ数を稼げるくらいになったら、自分だけの一冊を作りたいなと画策している今日この頃でございます。



宣伝

「帰っておいで」

https://kakuyomu.jp/my/works/16818093075525623003

地震だ台風だと色々大変な最近。

縦縞は近所の神社にお参りしたりしております。

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