第19話
俺は今、もの凄い嫌なことが起きて全てを投げ出して異世界に逃げたいぐらいなほどであり、異世界に逃げれないのなら仕事にでも逃げたいと考えていた。
もう、この際だから労働時間が違法でも良いから徹夜をしても構いませんからどうにかしてくれませんかと思っていた。
それは紫ちゃんがとうとう顔の火傷が完全に治って嬉しそうにして俺に見せてきたのだけどそれを見た瞬間にトラウマが蘇り一気に吐き気が襲ってきたのだ。
紫ちゃんがそれを見て心配そうに迫ってきたけど俺は無事だから気にしないでくれと言ってから俺はすぐに会社のトイレに駆け込んで入った。そしてここまで我慢していたものが一気に吐き出してしまった。
吐き出しすぎて血液も一部混じって赤くなっていた、普段ならそれで慌てるのにそれをする余裕もなくひたすらに先程のことを思い出してしまっていた。
するとまた吐き気が襲ってきて再び、吐いてしまった。ヤバイ、このままだと何も仕事が出来なくなってしまう。彼女を視線に入れないようにしないと真面目に病院送りにされてしまう。
俺は彼女に視線をやらないように必死に仕事に集中していた。今回は仕事に集中しないと最大級の苦痛が待っているから本能もそう言っていつも以上に集中して仕事に取り組んでいた。
そして紫ちゃんが始めて顔に包帯を巻かずに会社に出社してきて他の者たちは声を上げてびっくりとしていたけどそんな声にも反応せずにひたすらに仕事をして逃げようとしていた。
今の頼みがこの仕事しかないから必死にやっていると上司から今日は調子が良さそうだなと言われた後に追加の仕事を渡されたのである。普段なら嫌だなと思うが今はまさに救いの手だと言うばかりに感謝をして仕事に取り組んだ。
それを見ていた上司からいや、普通に考えて嫌がらせだと思うのが当たり前なんだけどなと言っていたけどそんなことにも気にせずに仕事をして昼休みまで必死にやり遂げるのであった。そしてここで悲報が起きてしまう、お昼前に普段の仕事に上司から渡された仕事を全て終わらせてしまったのだ。
俺の大切な生命線が消えてしまったと必死になり上司に次の仕事をお願いした。するとお前、あの仕事は普段の倍以上あったのに終わらせたのかと聞かれたのでこれを見てくださいと見せるとマジかと言ってみていた。
そうしたら午後もこれぐらいの量の仕事を準備するから昼飯でも食べてこいと言われた。いやいや、仕事しながら食べますから気にしないで下さいとお願いすると上司からお前もしかして有給休暇が欲しくてそうしているのかと聞かれた。
前なら確かにそのような理由で動いたかもしれないけど今は俺自身を守るために動いているだけですからそこまで深く考えないでくださいと内心、そう考えていた。
すると上司はなら昼飯の時間も惜しんで仕事に専念しろと言われて多くの仕事を与えられた。上司、いつも仕事を多く押し付けて恨んでいましたけどこの瞬間だけは感謝致しますと感じてやり始めるのだった。
これで紫ちゃんと会わずに済むと考えれば安い代償だと思いながら仕事をしていると同僚がお前、せっかく紫ちゃんがあんな絶世の美女だと理解したのに仕事で一緒に食えないなんてお前も運がないよなと言われた。
確かに運がないと思っているよ、あの人生最大のトラウマを作った女性にかなり似ている人を同居しているのだからなと言いたかったけど言わずに仕事の邪魔になるから早く飯にでも食べに行けと言った。
へいへい分かりましたよと言ってその場から立ち去り一人になってからようやく一息をつけた。辛い、これを毎日していかないと思うと大変という話ではないぞ。間違いなく過労死してしまうけど紫ちゃんと一緒にいればそちらもストレスまたはショック死で死亡してしまうのは目に見えていた。
うわ・・・真面目に異世界転生したい・・・でも転移なら出来るのだったなと苦笑いで笑っていた。家に帰りたくないけど家に帰らないと異世界に逃げれない。早く、紫ちゃんが実家に帰ってくれないと俺の生命が先に尽きてしまう。
頼むからさ、俺はその顔の火傷を治してあげたよね、その御礼だと思って家から出て行ってくれないかな。あの子と同居していると思うだけでも嫌な気分になる。見た目で判断するのは良くないのは知っているけどこれだけは無理、見た目からして俺はあの子とは絶対に仲良くできない。
あの子が悪いわけではないだけどな、俺としては一刻でも早く、出ていってくれたら助かるだけどなと思いながら仕事をして少しばかりゆったりとしていると昼飯から帰ってくる足音が聞こえてきたのですぐに集中モードに切り替えて作業をした。
それを見ていた他の者たちはなにか言っているけど俺はそんなことを気にしないで仕事をして普段の数倍は仕事しただろう、俺のおかげで今夜は残業がないと上司から言われた、不味いと感じた。
俺は残業があるから帰れないと言い訳をするつもりだったのにそれが出来なくなるのは困ると思いで上司に仕事を下さいとお願いするとお前は今日は本当にどうしたと言われた。確かに普段の数倍仕事をしているから上司が言いたいことも理解はできるけどこちらは命が関わっているのだから多少の無理でもやらないと俺が死ぬとすでに背水の陣状態になっている。
上司がうん〜と言って考えていたので俺はこっそりと上司に伝えるのだった。
「もし、今夜の仕事は全てを上司がやりましたと俺からも言いますので」
そう伝えた瞬間に仕事が舞い降りてきた、良し!流石ですよ、上司とこの時ばかりはナイスと内心で喜んでいた。そして理由はこちらで考えるから仕事をして来いと言われた。
もちろんですよ!これで紫ちゃんと会うタイミングが消えたので俺はハイテンションになりながら仕事を始めるのだった。これで最大級に怖いものは消えたので仕事さえ終わらせたら会社で寝泊まり出来ると考えてあっという間に終わらせた。
流石にその頃には外は暗くなっており時間も夜九時になっていたので会社で寝泊まりする場所に向かった。ここなら寝泊まりに最適だし、一人だからゆったりと出来ると安心していると疲れたと思って横になり眠りについたのだった。
そうして気がつくと朝日が登り始めていたのである。完全に疲れて寝てしまっていたなと感じながらも俺は今日の分である仕事をやり始めていた。することがこれしかないので時間がもったいないと考えながらやり始めた、朝飯は・・・紫ちゃんが出社してから買いに行こう。少しでも一緒の時間を減らす為にそうしようと決めた。
ひとまず俺は今日の分の仕事を半分以上に終えてしまった頃にようやく一人目の出社してくるものが現れ始めた。俺が朝から仕事をしているのを見て無事なのかと心配してくれていたけど俺なら無事だから気にしないでと伝えた。
心配そうにしていたけど俺が必死に仕事をしている姿を見て無理はするなよと言ってからその場からいなくなりそれから俺はひたすらに仕事をしていた。
最初に出社した社員からしばらくしてから続々と社員たちが出社してきてそして紫ちゃんが出社してきたのを声が確認できた。俺はひたすらに仕事をして無視をしようとしていたのに紫ちゃんはわざわざ俺の方に向かってくるのを足音で理解した。
本当に勘弁してほしいだけど、無視をしてほしかったのにこちらの気も知らないでのこのこと現れやがってと怒りの感情も出てきたけどここは大人しく対応してすぐに終わらせようとした。挨拶してきてもおはようだけで何も言わずに仕事を続けた。
すると紫ちゃんがそんなに忙しい内容なのですか、先輩と聞いてきたのでそうだから黙っていてと少しばかり強めで言った。
そうしたら紫ちゃんは驚いて何も言えずに立ち去ろうとせずにその場にいたので仕事に戻りなと一言だけ伝えてからまた仕事を始めた。
俺は決して視線を紫ちゃんを入れずに会話しており紫ちゃんも来た時よりもいくらか落ち込んでいるような足音で帰って行った。本当に仕事場なのだから休み時間以外はしっかりとしてほしいと思うのだった。
それからは昨日と同じでただひたすらに仕事に集中して取り組んでいた、昨日から様子が変だけど何かあったのかと同僚が話しかけてきても別にと返して仕事をしていた。
同僚が何か嫌なことがあったのか、話なら聞いてやるし解決できそうなら手伝ってやるけどと言ってきたがお前では無理だからと言って断るのだった。
本日の成果
佐藤紫ちゃんの顔にあった火傷が完全に完治した!
里見竜輝のトラウマが発生して嘔吐に口から出血もした!
紫ちゃんと一緒に過ごしたくないから背水の陣で挑んで仕事を終わらせている!
普段の十倍近く終わらせており、普段は心配しない者たちからも心配されている!
佐藤紫ちゃんが顔を出して会社で一気に人気者になった!
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