第14話、仕事の価値

『かんぱーい』


ようやく終わった。

内部の片付けはまだまだだけど、取り急ぎの案件は終わった。


入れば既に、店内はごった返していた。

あ、先輩発見。あいつももういた。

シャワー浴びて、すぐきたつもりだったんだが。


「今回はありがとう」

「いえ、こちらこそ。ご協力頂きありがとうございました」

「これからの後片付けは任せてくれ」

「ああ、先輩、そういや発見した資料とかは全部分類しておきました。送っておきます」

「さすが早いな。これでだいぶ楽になる。みんな、ありがとう」


先輩が周りを見ながら「ありがとう」て言って、隊員達が片手をあげて応えている。結局、店の外まではみ出してみんなきていた。


・・・先輩の財布が心配になる。

こっそりお店にいくらか渡しておこう。


確かに、あの後「被害者の捜索に手間取って」ダイニングでシェリー酒片手に「調査」していたんだが、まあ「仕事」が早い。


うちとあちら合わせて隊員60人で小腹を埋めながら現場の確認、証拠の保全に後片付け、報告書の作成から台所を空っぽにするまであっという間。


「被害者」を見つけたときには、全て終わっていましたとさ。錯乱した「被害者」は崖から転落。「人間」を騙して悪いことした奴らは全員逮捕。一件落着。


で、解散して、シャワー浴びて、今ここ。

みんな、早すぎ。俺は約束の時間ぴったりだっての。


「さて、約束通り全員、今日はただ酒、食べ放題だ。みんなの頑張りで人質たちも無事だったし、違法賭博への糸口も見つかった。みんな、よくやってくれた。この星に縁がある1人として感謝します。かんぱーい!」


『かんぱーい!』


「本当にありがとう」

「あれ、神鳥さんですか?」

「ああ。人型に移し替えてきた」

「今回は大変でしたね」

「全くだ。だが、連邦軍がくればどうにかなると思っていたし、どうにかなった」


にっこり微笑まれると信頼がくすぐったい。

あいつも先輩も照れくさそうにしている。


「だが、もっと早くに解決できたはずです。それは申し訳ない」

「いや、仕方ないさ。あくまで国の問題が今回は大きかった。こちらこそ、我が国の政治家がすまない。国民として恥ずかしい」

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