男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループをつくって配信したらめちゃくちゃバズってた。
参戸芽 ショウジ
プロローグ
「これからおまえを男女比1:10000の貞操逆転世界に転生させるわけだが……ひとつだけチート能力を授けてやる。なんでも言ってみろ」
目の前で神々しく輝く美しい女神様が言う。純は迷うことなく答えていた。
「じゃあ、元いた世界のネットにいつでもログインできるようにしてほしいです……。俺、前の世界に未練はないんですけど……ライバーさんの配信とかはこれからも見たいんで」
一日中配信を見て過ごしていた。
新卒で入社した会社はブラックで辞め、ライバーとして活動してギリギリな生活を送る毎日。
そんな彼はある日命を失って、転生することになった。異世界ラノベの世界でも、ラブコメ漫画の世界でもなく、男女比1:10000の貞操逆転世界に。
それはそうと、もし新しい世界に配信の文化がなかったら純はやっていけないだろう。だから女神さまにそんなお願いをした。
「いいだろう。だが、お前が生前の記憶を思い出すのは二十歳のときだ。それまで、お前はこの『元いた世界のネットにいつでもログインできる』というチート能力を発動することはできない」
女神様の声を聞きながら、純は徐々に意識が途絶えていくのを感じていた。
「20年もあるのかよ……ちょっと長いな」
そんなことを呟きながら――
◇
新田 純が20歳の誕生日を迎える朝のことだ。彼は夢を見た。
この男女比1:10000の世界で生まれる前、別の世界で新田 純として生きていた記憶。そしてその世界で死んで、女神様からチートをもらって生まれ変わったこと。それが彼の頭に夢の中で蘇った。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純はベッドから起き上がると、パソコンに向かって前に居た世界の思いを馳せた。その瞬間、彼はこの世界ではなく、前の世界のネットにアクセスする。
「うおおおおおぉ、この配信! 懐かしい!」
純は元いた世界で好きだったライバーの配信を懐かしむように貪り見て行く。
しかしそんな日々を数週間と過ごしているうちに彼は焦りを感じてくる。前の世界の配信をただただ消化する毎日に生産性がないことを思い知らされるのだ。
「なにやってんだろ俺。そろそろ外出て大学行かないとなのに……」
この男女比1:10000の貞操逆転世界で純は引きこもりになっていた。
一人暮らしを始めて大学に入ったはいいものの、所属したサークルで女の先輩に集団で襲われてから外の世界に出るのがトラウマになっていた。
しかし、前世の記憶を思い出した純はもう違った。すでにトラウマから脱却していたと言ってもいいだろう。
「俺、なんで引きこもりなんかになってんだろ。女性から襲われるとか普通に考えてご褒美じゃん」
純が元いた世界では、彼のような陰キャに美人な女性が寄ってくるとか奇跡のようなものだった。
そのことに気が付いた純はふつうに大学に通い、男性が女性から襲われる貞操逆転世界を楽しむことにした。そしてあるとき閃いた。
(俺だけ元いた世界のネットにログインできるってことは……もしも、この世界の女性たちで男性向けの美少女ライバーグループを作ったら……)
その発想は、純や彼の周りに居た美少女たち……そして、まだ見ぬこの世界の美女たちの常識を覆すものだった。
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