甲子園までの道

@princessmineko117

第1話

甲子園の大観衆の中、祈るように見守るわたしがいた


私には2人息子がいる。

私の結婚相手は中小企業の跡取り息子だった

とにかく男の子をの時代にすぐに男の子を産んだ

長男を産んだときホッとした。とりあえずこれで訳のわからないプレッシャーからは逃れられたと・・・

私は若すぎたし甘かった

ちゃんと育てねばプレッシャーが待っていた

その頃には夫に対しての愛情より息子に対してのプレッシャーの方が大きかった

とにかく息子に全てをかけた

食べ物、環境、全てが完璧でないとと学もない私は必死だった。今なら虐待だと言われかねないほど息子には完璧を求めた

完璧ではなくただ甘やかされて育った私には息子がかわいいとか思う余裕もなかった

ただまわりにとやかく言われない長男

とにかく夫の実家、親戚が文句を言わない息子に育てなくてはと必死だった


だからもう1人欲しかった。愛情はなくとも長男のためにもう1人産んだ。女の子を望んで・・・

女の子とはほど遠い殴られたボクサーのような次男

男の子だと聞いたときも産んで顔をみた時も泣き崩れた

それでもプレッシャーがない分可愛かった

長男は箸の上げ下ろし、法事での作法、公式的な場での礼儀すべて求められたが次男は自由だった

私が可愛がっても誰も言わなかった


長男の救いはそれを客観的にみて盲目的に可愛がってくれるうちの実家だけだった

私もそこに甘えた

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